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開運には努力が必要 -用神論-

命式を傾けているものを「忌神」(いむがみ)とか「悪神」(あくしん)と言い、その方向に無意識に流されることによって運命上の落とし穴に陥ります。

その事象の入り口は「通変」などによって推測することができ、どのような誘惑やキッカケを持って悪神が発動するのかを予測することが大切です。

「悪神」の作用の仕方を正しく把握することが、改善策(用神論)を考える上でも重要です。

命式における最たる悪神は、たいていの場合、他の地支の3~4倍の力量で命式全体を傾ける作用をする「月支」の旺気です。

夏月(巳午未)ならば旺気の「火」や「土」が最たる悪神になりやすく
秋(申酉)ならば「金」
冬(亥子丑)ならば「水」
春(寅卯)ならば「木」
悪神になって命式全体を傾ける作用を起すのです。

ということは、春(寅卯)夏(巳午未)秋(申酉)冬(亥子丑)四季月ごとにどのような現象が生じやすいか?
「月支の悪神」が中心となってどのような崩落作用を起しやすいのか?

をよくよく理解していくことが、悪神論・用神論を学ぶ上での最短ルートであると言うことができます。

日干が10種あって、四季月(春夏秋冬)毎に事象分類できるということは、十干×四季月=40通りの組合せに大まかな分類が可能である、ということです。

日干甲木で 月支が夏(巳午未)
日干己土で 月支が春(寅卯)
日干壬水で 月支が秋(申酉)

といったように、日干×月支(春夏秋冬)によって命式の分類(起しやすい事象の類型化)が可能であるということです。

辰月と戌月は特定の方向性を持たない「雑気の代表格」であって四季月とは「別枠」と見なすしかありません。雑気の月は、命式内にどんな星が多いのか、大運にどんな星が多いのか、によって起こりうる現象が千差万別であり、分類も容易ではありませんから、臨機応変に命式ごとの特徴を捉えて判断するしかありません。「戌月」に関しては土が重くなりやすいという特徴はあります)

悪神の作用の仕方が分かれば、それに対する改善方法も類推しやすい。

悪神の理解と用神の理解は「コインの裏表」のような関係にあるのです。

偏った命式のバランスを整えて均衡に戻し、日干が本来の役割を発揮できるように整える要素(十干)を「用神」(ようじん)と言います。

悪神の無意識の働きや傾向性に気をつけて自制を促しながら、用神の方向性で努力することによって、その人の思考回路や人間性にまで変化を生じさせて、運命の落とし穴を回避させ、日干の性質が世の中に喜ばれる姿に変えていくことが改善開運の本質です。

用神は、五行のバランスを取ることだけが働きなのではなく、その本質は、置かれた条件(命式)の中で、日干が最適な働きをすることができるように整えて調整することに主眼があります。

ちまたの四柱推命の中にはバランス論の意味を取り違えて、命式に無い欠けている五行を補って「全部の五行」が揃ってグルグル回ることが開運だと思っている流派もありますが、そのような雑多なバランス論では開運にはなりません。

(たとえば、丙丁火、庚辛金、癸水の命式に戊己土は無いほうが良く、丁火の命式に壬癸水は禁忌です。乙木の命式に庚辛金は脅威となり、壬水の命式に己土が来れば最悪です)

用神を用いた開運論には、五行の象意、通変の象意など多様な視点からの応用が可能です。


(1)五行の視点

用神の五行のジャンルに関わることが、開運に大きく貢献するという考え方です。
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ただ、実際には人は命式に多い悪神の五行の方に関心があり魅力を感じるもので、そちらの扱いには慣れているものの、命式内に少ない用神の五行については関心が少なく、その扱い方がよく分からない場合が多いものです。

実際には、扱いが慣れているものに関する能力が伸びやすいわけで、この五行の分野をそのまま職業にしていくには少々無理がある場合もあったりします。

例えば、甲木が用神になる命式があり、命式内にはほとんど木星が存在していない場合は、用神を活用して「教育・福祉」などの方向で頑張りましょうね、といちおう開運アドバイスはできます。

しかし、もともと命式内に木星の要素が皆無であれば、そちらの方向性にそもそも今まで全くの無関心であり、接点自体が無かったわけですから、その分野についての「習熟」には大変な時間が掛かるということを知っておかなくてはなりません。

普通の人よりも、何倍も努力して、何倍も時間を掛けなければ、モノにならず定着しないことの方が多いのです。


(2)通変の視点

用神の通変の働きに注目して、その考え方や言動の仕方をマスターするように努力する方法です。

比劫:人生上の目標をはっきりさせ、継続して努力させる根気ややる気を持たせる。
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食傷:相手を思いやる優しさ、他人に奉仕する働き、コミュニケーション能力、技術を役に立てる
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財星:現実的な常識を大切にさせる。計画性を養う。世間のニーズを汲み取る感覚、相手に合わせる姿勢
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官星:自我・自己主張を抑えて、組織に貢献する。
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印星:学んで知識や技能を身につけさせる。人をうまく頼る。話をよく聞いて咀嚼する。
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用神活用の中心になるのは、このように本人の思考回路、行動パターン、人間性にダイレクトに矯正を掛ける方法です。


(3)他動的に五行を取り入れる開運法

甲木:森林浴、果樹園、自立性の観葉植物
丙火:日光浴、屋外の遊園地、温泉
丁火:焚き火、キャンドル、お香
戊土:登山、石工、石庭
庚金:機械いじり、鉄道・車・工場
壬水:海レジャー、水族館、川下り
癸水:水槽インテリア、スキースノボ

(乙・己・辛は 他の十干の用神にはならないので除外します)

方角的には、木=東、火=南、金=西、水=北、となっているので、海外旅行や留学で吉方位を選ぶとよいでしょう。

ラッキカラーはそれぞれ、緑(青)、赤、黄、白、黒です。

とは言え、こうした他動的に五行を取り入れる方法は、あくまでも補助的な開運法にすぎません。

運命の傾向性や癖は自分自身の内にある考え方や行動パターンそのものに原因があるわけですから、そちらを先に修正することが用神活用の本論となります。

一般に「開運」と言うと、おみくじ的、おまじない的な内容や、テレビ朝番組の「きょうの占い」で出てきるようなラッキーアイテムみたいなことばかりを「安易に考え」がちです。

しかし、そんな安易な「おまじない」ような方法で、人間が何十年も掛けて培ってきた命式の「歪み」と「傾向性」が一夜漬けで変わるはずもなく、単なる気休めでしかありません。

本当の「開運」のためには、本人自身が相当の覚悟と自覚をもって、人間性そのものが入れ替わり、思考回路や言動のしかたがすっかり変化するぐらいの努力(=自己変革)が必要である、ということです。

性格・人間性は「習慣づけ」によってある程度は変化しうるものであり、「徳性」はラテン語でハビトゥス(habitus)と言いますが、これは「習慣」を意味する語源から来ています。

一定の方向性で繰り返し同じ行動パターンや考え方で「刷り込み」を行うことで「習い性となる」と言いますが、人間性にも変化が生じて一定の「徳性」を形成することになるのでしょう。

古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、著書『ニコマコス倫理学』の中で、偏った性質が「中庸」に至るためには、正反対の方向への「習慣づけ」が必要である、と論じています。(蛮勇で向こう見ずな者が、慎重で思慮深くなるにはどうすれば良いか?といったことを論じています)

いわゆる「継続こそ力なり」ということですね。

by astro_suimei | 2017-11-07 13:31 | 用神論

癸水の性質

陰の水で雨や霧、静謐な泉(井戸)のような優しい淡水(飲料水)です。

十干の中では力量が弱く枯れやすい弱い水ですが、旺じれば豪雨に姿を変えることもあり、その力量変化にかなり幅があります。
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壬水と違って、物静かで大人しく臆病なほどに慎重な人です。

霞や霧のようにミステリアスで自分の内面を明かさない秘密主義者が多く、掴みどころが無い印象を与えます。

水=「智」ですから聡明で思慮深い人が多い。

壬ほどに気まぐれ気分屋ではなく、コツコツと地道に頑張る努力家です。
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飲料水は、綺麗な状態で人に飲まれることを喜ぶため、清い綺麗な水として潔癖に生きることを本質とします。

理想的な配合は、自身が亥子に通根して身中であり、水源の庚金があり、甲木の果樹を育てたり、飲料水となって生き物を成育させることです。

木の食傷と相性がいいことから、福祉・医療・教育などの分野で「慈しんで育む」働きに適性が高いタイプです。

春夏月の身弱で、水が枯れてしまう状態では、庚金の水源、亥子の通根を何よりも必要とします。

冬月になれば、寒気によって凍結して「氷雪」に変わるので、丙火の暖気で暖めなければ人々に喜ばれる飲料水にはなりません。

癸水が最も恐れるのは土の官殺で、戊土は干合して癸を吸収して潰してしまいやすく己土の泥は綺麗な水を汚してしまいます。


by astro_suimei | 2017-11-07 11:46 | 十干論

壬水の性質

陽の水、流れて留まることがない大河や大海の水です。
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陽干の中でも太陽の丙火と並んで絶大なパワーを持つ干であり、後天運で巡ってくれば命式の風景を一変させるような変化を巻き起こす危険性をも孕んでいる星です。

水の性質は「智」であり、聡明な頭の回転が速い人が多く、特に壬水は負けず嫌いな勝負師・策謀家の一面があります。水は形がなく、方円の器に従うものですから、掴みどころがなく考え方も柔軟で臨機応変です。

どこへ流れていくか読めない予測不能性があり、本人自身も気まぐれで気分屋、その日の気分で左に行ったり右に行ったり、かと思えば、急に堰を切ったように怒涛の勢いで一気呵成に行動しようとする性急さがあります。

壬水は四季月によって、また日干強弱によって、その性状が大きく変わりやすく

秋冬月など、身旺であれば、水智の性質が出やすく善くも悪くも(悪)知恵が回る人物となるが、

春夏月など、水源が無く枯渇する身弱となれば、日干減力が著しく、水智の性質は失われ、流れが停滞してかえって思慮や知恵に乏しく、水量が乏しく底が浅いため、思考は短絡的になり、むしろ愚かにもなりうる。
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身旺の場合は、旺水を調整する甲木の森林丙火の太陽を喜ぶことが多いのですが、場合によっては稀に戊土の堤防が必要になることもあります。

壬水と丙火は「乙丁己辛癸」の陰干をまったく必要としないという特性があります。

春夏月に身弱で水が枯れる場合には、庚金の水源、源流となる通根(亥子)を必要とします。

<壬水の十干相互関係>

壬-壬(比劫):身弱の時には日干を強めるが、天干に壬が来るよりも、地支に亥子があって通根する方が断然に良い。天干の壬は一時的な援助や外的要素にすぎず、亥子への通根は本人自身の継続的努力や独立心を養うものであり、まったく働きが異なる。身旺の場合は凶作用となる。

壬-癸(比劫):陰干のため身弱の日干を補強する作用はまったく無く、たいして害にもならないが、このように陽日干に近貼して陰干比劫があれば、いかにも誠実そうに紳士ぶって表面ばかりを取り繕うようになり「二重人格」的な作用が発生しやすい。

壬-甲(食傷):秋冬生まれの身旺にとっては、旺水を調整して、火源になる一石二鳥の働きをする最たる用神となる。一方で、春夏月で身弱となれば、弱水を吸い上げて枯渇させる悪神の食傷となる。このように四季月と日干の強弱に応じて、用神にもなれば悪神にもなる。

壬-乙(食傷):陰干であって甲のような明確な作用を及ぼしえない。用神にもなりきらず、悪神にもなりきらず中途半端。おおむね秋冬月には吉となりやすく、春夏月には悪神として作用しやすい。

壬-丙(財星):剋されても消失しにくい丙火は、身旺の壬水にとって安定した財星(喜神)となりうる。ただし丙火の財神が良い結果をもたらすには、用神の甲木の存在を前提とする。丙の喜神だけが単体であれば享楽を貪り、刹那的・短絡的な利得に走らせる反作用がある。春夏月の身弱にとっては、火星の財神自体が悪神となる。

壬-丁(財星):丙火と違って「壬丁干合」の関係となり(化木しやすく)、一方的に丁火を消す作用となりやすく、みずから財星を潰す現象、財星に異常に執着する作用を起しやすい。「隠匿の合」であり、日干男命であれば丁火は女性となり厄介な色情因縁を生み出す。

壬-戊(官殺):堤防の戊土があれば治水の利があるのは自然の理であるが、実際には身旺の旺水を「戊土」で抑制することは難しい場合が多く、甲の森林によって旺水をコントロールするほうが美となりやすい。特に庚辛申酉の金星が多い場合には、戊土の堤防は役に立たない悪神となる。言うまでもなく、春夏月の身弱にとっては、弱水を堰き止める悪神の官殺となる。

壬-己(官殺):陰干の己では壬水を剋して堰き止める作用はできず、かえって反剋され、洪水の泥土となって押し流され、河川を汚染する最悪の関係となる。壬水にとって最も忌むべき星であり「混土濁壬」と呼ばれる。泥土によって水が濁らされ、正常な思考ができず、変わった考え方をしやすく、特に日干女命はおよそ結婚にふさわしくない男ばかりを好きになり被害を被る。身旺であれば甲木で己土を合去し、身弱であれば庚金で土を漏らして日干を助ける。

壬-庚(印星):春夏月で、日干が身弱の場合には水源となり枯渇から助ける最喜の用神となる。一方で、身旺の命式にとっては不要の悪神となり、特に秋月には鉱毒を含んだ毒水に汚染し、人格劣化を引き起こす悪神の印星となる。

壬-辛(印星):陽干の庚金のように水源となって弱水を助ける力は無く、温度を表面的に下げるぐらいの作用しかできない中途半端な星。一方で、秋冬月には悪神の印星として作用しやすく、調候用神(喜神)の丙火を干合して去らせる悪神にもなる。

以上のように、十干同士の相互関係は、日干の強弱、命式の属する季節によって、その働きと吉凶が大きく変わってくることを知る必要があります。

たとえば、同じ甲-丙、甲-癸といった十干関係であっても、いつも変わらず吉凶や働きが固定しているわけではなく、命式の月令、日干の旺衰によって、その作用と吉凶が180度も変わってくるのです。ここが四柱推命の判断が難しいとされるゆえんです。

by astro_suimei | 2017-11-07 11:22 | 十干論

辛金の性質

陰の金で宝石や貴金属の星です。剛鉄の庚とはまったく性質が異なります。
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洗練されて美しく輝くことを喜びとする星ですから、美しい幻想やロマンティックな綺麗ごとの世界で生きて行きたいと夢みがちな人です。

世俗のドロドロした汚い世界に染まりたくない、どこか浮世離れした感覚を持っている人かもしれません。

辛金の理想的な命式は、申酉に通根して身中以上で、壬水(食傷)によって洗われて洗練されて光を放ち、水が旺じすぎず、埋金の土を防ぐために甲木(財星)を備えている命式です。

このような配合の命式は、才能を発揮して世間に認められ活躍する「才能発揮型」「商売人型」としてフリーランスな活動が向いています。
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弱い陰干(貴金属や宝石)ですから「火の官殺」による剋を嫌います。火で炙られるとすぐ熔けてしまいます(熔金)

ゆえに、冬月の寒冷が極まるような状況でしか火を必要としません。

また、庚金と同じく土の印星をも嫌います
土が付くと汚れてしまい宝石の価値が下がり、世間に出られなくなる埋金を起こします。

(ごく稀に「熔金」を起している身弱の命式では、己土が鋳型となって突然死などから命を守る代理的用神となることがありますが、そもそも土の印星自体は良い作用はしません)

by astro_suimei | 2017-11-07 10:54 | 十干論

庚金の性質

陽の金で掘り出されたばかりの鋼鉄です。丁火の炉で正しく精錬されると役に立つ刀剣や工業製品になります。
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十干の中で最も殺気を帯びて剛強であり、何でも白黒ハッキリ付けてバッサリ判断して切り捨てることを本性とします。金の性質が「義」=判断力や決断力であるからです。

また、庚辛の金星は善くも悪くも「義を貫く」=「自分を押し通す」「自我を曲げない」傾向が強く、頑固に自分の考えを曲げずに貫きたがる「柔軟性・可塑性に乏しい人」が多いのも特徴です。

また庚金は「武侠」「義侠」の性質から、自分を強く見せたがり、虚栄心や見栄張りの性質も強く、実力の伴わない「張子の虎」のような人物も多いのが特徴です。

庚金は、十干の中で最も鑑定が難しい干と言ってもよく、用神の選定に難しさを伴います。

基本的には、丁火による鍛錬を喜び、火による鍛錬が無ければ、剛強尊大で怠惰粗暴なわがまま人間=「頑鉄」に終わります。(=扱いにくくどうにもならない無用の人物)

庚金は、丁火の制化を受けて、世に認められ役に立つ名器名刀=人格者となっていくための条件が狭く、適切に鍛錬を受けなければ粗暴な屑鉄でしかなく、命式の状態によって人間性の上下に大きな差があります。
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粗暴、横柄、我儘になりやすく暴走族や任侠(ヤクザ)に身を投じる者も多く、身弱・身中・身旺の違い、火の官殺の有無、埋金の土の有無など、命式の配合(条件)に応じて人間性の高下が激しく分かれていきます

判断力や決断力に富んで立派な高潔な人格者になる名刀名器もあれば、怠惰で我儘を振り回すしか能が無いどうしようもないクズ鉄まで、人格や能力において千差万別、天地の開きを生じます。

理想的な命式は、申や酉に通根して、丁火の炉、甲木の燃料があって、鍛錬された名刀・名器に作りかえられて、社会の役に立つ有用な人材となることです。そうなれば勤め人としても組織内で重宝され栄達出世します。
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しかし、条件によっては「火の官殺」を用神に取れない場合が多々あります。戊己の「埋金の土」が日干に近貼していると、火の剋を妨げて(火を吸収して)土が旺じて金を生じるだけになってしまいます。

このような命式では、次善の策として、壬水を用神として甲木を育てるための水源・鉱脈として利用される命式(=甲壬用神)と見ます。

このタイプは「火の官殺」を喜ばず「水の食傷」を喜ぶため、組織勤めには向かず、自分の技術によって商売をしていく方に適性があります。

<庚金の十干相互関係>

庚-庚(比劫):身弱の時には日干を強めるが、天干に庚が来るよりも、地支に申酉があって通根する方が断然に良い。天干の庚は、一時的な援助や外的要素にすぎず、申酉への通根は本人自身の継続的努力や独立心を養うものであり、まったく働きが異なる。身旺の場合凶作用となる。

庚-辛(比劫):陰干のため身弱の日干を補強する作用はまったく無く、たいして害にもならないが、このように陽日干に近貼して陰干比劫があれば、いかにも誠実そうに紳士淑女ぶって表面ばかりを取り繕うようになり「二重人格」的な傾向が発生しやすい。

庚-壬(食傷):四季月と日干の強弱に応じて、喜神にもなれば悪神にもなる。秋冬生まれにとっては金水を強め、悪神の食傷となりやすい。夏月旺火や土が大過する命式では、庚金を補佐する喜神となる。その場合は才能発揮の食傷となる。庚金にとって、火と水は相反する要素であり、どちらかが用神喜神となれば、一方は悪神となる関係にある。

庚-癸(食傷):陰干であって壬水のような明確な作用は及ぼしえない。用神にもなりきらず、悪神にもなりきらず中途半端。おおむね夏月には吉となりやすく、冬・春月には悪神として作用しやすい。

庚-甲(財星):申酉に通根している身旺にとって、甲の財星は離すことができない必須の用神であり、丁火の官殺の火源となる。自己中心的になりやすい身旺の悪癖を抑えて、他人に配慮させる作用をする。一方で、春・冬・夏月などで身弱になる命式では、悪神の財星になりやすい。

庚-乙(財星):甲木と違って「干合」の関係となり(化金しやすく)、身旺の場合でも喜とはなりがたく、庚金が一方的に乙木を制圧して潰す作用となり、みずから財星を潰す現象、財星に異常に執着する作用を起しやすい。一方で身弱の命式では、干合によってさらに日干を弱体化させる悪神となる。

庚-丙(官殺):身旺であれば丁火の鍛錬を喜ぶが、おなじ火星なので喜神とはなるが、太陽の丙では質的に庚を変化させる作用はなく本質的に用神の作用はしない。身弱の場合には悪神の官殺となる。冬月で寒冷な命式では、申酉の通根があることを前提にして調候用神(喜神)となる場合もある。

庚-丁(官殺):庚は陽干であるが、例外的に陰干の丁火でなければ鍛錬制化できず、身旺の命式においては最たる用神となる。丁火の制化を正しく受ければ、庚特有の粗暴さ・頑固さ・虚栄心が表れずに、世の中に有用な人格者に変化する。一方で、夏・春月などの身弱にとっては悪神の官殺になりやすい。

庚-戊(印星):庚にとって「埋金の土」は天敵の星であり、掘り出された鉄鋼を土をかけて埋もれさせたり、腐食させる悪作用しかせず、不名誉な事件をもたらしたり、怠惰粗暴に人間性を劣化させたり、といった凶作用しか起さないため、四季月・日干強弱を問わず忌むべき五行となる。もし日干が身弱であっても、土の印星は好ましい作用をしない。

庚-己(印星):庚にとって「埋金の土」は天敵の星であり、掘り出された鉄鋼を土をかけて埋もれさせたり、腐食させる悪作用しかせず、不名誉な事件をもたらしたり、怠惰粗暴に人間性を劣化させたり、といった凶作用しか起さないため、四季月・日干強弱を問わず忌むべき五行となる。もし日干が身弱であっても、土の印星は好ましい作用をしない。

以上のように、十干同士の相互関係は、日干の強弱、命式の属する季節によって、その働きと吉凶が大きく変わってくることを知る必要があります。

たとえば、同じ甲-丙、甲-癸といった十干関係であっても、いつも変わらず吉凶や働きが固定しているわけではなく、命式の月令、日干の旺衰によって、その作用と吉凶が180度も変わってくるのです。ここが四柱推命の判断が難しいとされるゆえんです。

by astro_suimei | 2017-11-07 10:11 | 十干論

己土の性質

陰の土で、湿って柔らかい肥沃な田畑の土です。
ソフトで人当たりの良い人が多く、情にほだされて断ることができない人が多い。
土には受容して保存する性質があり、包容力がある人が多いのです。
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田畑の土ですから、乙木の野菜や草花を育てることを本業としています。教育者・指導者として向いている人が多いです。

陰干の多く(乙丁辛癸)は官殺の剋を嫌いますが、己土だけは例外的に身旺であれば木の官殺を恐れません

己土は「甲乙木の判断」に似ていて、丙火の太陽、癸水の雨のバランスを最重要事項として判断していきます。
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理想的なのは、巳午未に通根があり、丙火の太陽があり、亥子もしくは癸水の水量が適切なバランスを保っており、天干に甲乙木が成育している命式です。このような命式では「木の官星」が良い作用をするため、組織において評価され栄達出世しやすくなります。
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夏月は旺火によって燥土になり、レンガのような硬い土に変わってしまうため、植物が育成できなくなります。その場合は、庚金を冷却剤として用いながら、癸水による灌漑を待つことになります。

秋冬月で、金水が旺じすぎている場合は、土が崩れたり流されたりする被害を恐れて、丙火の太陽で乾かし、土の養分を培養しつつ、壬水に流されないように戊土の堤防を求めます。



by astro_suimei | 2017-11-07 09:45 | 十干論

戊土の性質

陽の土でそそり立つ山岳や岩山です。十干の中で最も重い星です。

山のようにどっしりと重量感があり、理想的な戊土の命式には、山に多くの生き物が集まってくるように、多くの人が集まって憩う(慕われる)包容力を発揮します。
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戊の理想的な姿は、亥子の水があり、甲木の森林によって硬い土が耕されて柔和になり生き物が住みやすい山岳になることです。これは「甲木」(官星)を用神とする命式で、組織の中で勤め人として栄達出世しやすい型になります。

夏月などで巳午未が多く、丙丁火の炎熱が過ぎる場合には、燥土が焼け焦げて固い岩の塊となります。水が枯れているため甲木を用いることはできません。
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その場合は、次善の策として、庚金を冷却剤として用いて、焼けた土を冷やし、鉱山として金銀を発掘する山と見立てます。

この「庚→壬」を用神とする命式は組織勤めには向かず、自分の腕(技術・才能)に頼っての独立・自営が向く商売人型に近くなります。

<戊土の十干相互関係>

戊-戊(比劫):身弱の時には日干を強めるが、天干に戊が来るよりも、地支に巳午未があって通根する方が断然に良い。天干の戊は一時的な援助や外的要素にすぎず、巳午未への通根は本人自身の継続的努力や独立心を養うものであり、まったく働きが異なる。身旺の場合や、水星が枯れる命式では凶作用となる。

戊-己(比劫):陰干のため身弱の日干を補強する作用はまったく無く、たいして害にもならないが、このように陽日干に近貼して陰干比劫があれば、いかにも誠実そうに紳士ぶって表面ばかりを取り繕うようになり「二重人格」的な作用が発生しやすい。

戊-庚(食傷):四季月と日干の強弱に応じて、用神にもなれば悪神にもなる。秋冬生まれにとっては金水を強め、山崩れを引き起こす悪神となりやすい。夏月旺火の時には、焼けた土を冷却しながら、水源ともなる「一石二鳥の吉作用」をする用神となる。その場合は才能発揮の食傷となる。

戊-辛(食傷):陰干であって庚金のような明確な作用を及ぼしえない。用神にもなりきらず、悪神にもなりきらず中途半端。おおむね夏月には吉となりやすく、秋冬月には悪神として作用しやすい。

戊-壬(財星):戊土は巳午未多くて身旺になる場合は、必然的に水星が枯れやすくなり、水星が枯れることで災難や苦しみを発生する。よって夏月には用神喜神として作用しやすいが、一方で秋冬月は金水が旺じることで山崩れを起しやすく、身弱にとっては悪神の財星となる。

戊-癸(財星):夏月には喜神として作用しやすいが、壬水と違って「干合」の関係となり(化火しやすく)、戊が一方的に癸水を塞いで潰す作用となりやすく、みずから財星を潰す現象、財星に異常に執着する作用を起しやすい。一方で秋冬月は金水が旺じることで山崩れを起しやすく、身弱にとっては悪神の財星となる。

戊-甲(官殺):森林がある山には生き物が集い、戊土にとって最も理想的な状態となるが、甲木の官殺が有効に働く条件は狭い夏月で身旺であり、かつ、水星が枯れていない潤い豊かな状態でなければ甲木は用いられず、甲木はかえって水星を吸い上げて枯れさせる悪神にもなりえる。春・秋・冬月は 身弱の日干をさらに責める悪神の官殺となる。

戊-乙(官殺):陰干の乙では、まったく戊土を剋す作用はなく、かえって反剋されて乙木(神経)が痛むだけである。

戊-丙(印星):秋冬春月で、日干が身弱の場合には、痩せて冷えた土壌を暖めて滋養する印星の用神となる。一方で、夏月火旺で水枯渇する場合には最たる悪神となる。

戊-丁(印星):陽干の丙火のように、土を暖めて滋養する力は無いが、庚辛金の食傷が旺じすぎて害悪となる場合には、金星を抑制する炉火として用神になりえる。一方で、夏月火旺で水枯渇する場合には最たる悪神となる。

以上のように、十干同士の相互関係は、日干の強弱、命式の属する季節によって、その働きと吉凶が大きく変わってくることを知る必要があります。

たとえば、同じ甲-丙、甲-癸といった十干関係であっても、いつも変わらず吉凶や働きが固定しているわけではなく、命式の月令、日干の旺衰によって、その作用と吉凶が180度も変わってくるのです。ここが四柱推命の判断が難しいとされるゆえんです。

by astro_suimei | 2017-11-07 09:32 | 十干論

剋せる土、剋せない土

五行の関係では「木剋土」(木は土を剋して弱めることができる)とあります。

しかし、実際には、木が剋すことができる土と、剋すことが難しい土があり、いつでも「木剋土」が成立するわけではありません。
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剋せるか剋せないかの境界線は、土自体に水分が含まれているかどうか、あるいは、土の近くに水の干支が存在しているかどうか?にあります。

土には「燥土」と「湿土」の違いがあります。
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戊土、未、戌 は 水を含まない乾燥した土で「燥土」
己土、丑、辰、は 水を含んだ柔らかい土で「湿土」

甲木にとって、剋しやすい土は「湿土」であり、水を含まず硬い岩盤のような戊土や戌はそのままでは剋することが難しい土なのです。

よって、命式や大運にある「戊土を剋す」ためには、大量の水が必要になります。命式内に亥子や壬癸があるか、大運で水の干支が巡って来ないことには、硬い岩盤を柔らかくして木の根を伸ばすことはできません。

by astro_suimei | 2017-11-05 22:27 | 四柱推命の基本

命式の構造

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【月干(月柱天干)= 社会運・対人運】

月干は命式の中央にあって、日干の隣にあって全体に多大な影響力を及ぼすポジションです。

ここにある天干は、その人が社会や他人と接する時の最初の顔となり、その人の対人運や社会運を示しています。
(西洋占星術で言うところの上昇宮/アセンダントのようなものです)

月干に用神・喜神がある人は、他人から良い印象をもたれやすく、良い評価をされて対人関係や社会運が良好となりやすいのです。

また、ここは「父親」のありようを暗示する場所でもあり、本人に対して父親が良い働きをしているのかどうかが分かります。 


<日支(日柱地支)= 配偶者縁>

日柱の地支は「配偶縁」つまり結婚後に伴侶が助けになるかどうか?を示している場所で、別名「夫妻宮」とも言います。

ここに用神・喜神があれば、結婚した相手(夫・妻)からの運勢上の助けを得る可能性が高いとみます。

命式内のほかのどこにも用神が付いておらず、日支にしか用神が取れない場合は、結婚した配偶者に頼って開運を待つ人生になりがちです。


<天干は表の顔、地支は裏の顔>

また、天干は誰もが目にするであろう「表の顔」を現し(=その人が社会で活動する際に、他人が見ることができる部分)

地支は隠れているその人の内面性「思考回路・心理・潜在意識」を示しています。

天干に並んでいる星と、地支に並んでいる星がまったく違っている場合には、その人は「表の顔」と「裏の顔」に大きなズレがあり、ふだん社会生活においてみんなが目にして確認できる外的な振舞い方(言動)と、その人の本音の心理や考えに相当な落差があることを示しています。

例えば、日干が戊土で、天干には甲木が並び、地支には申酉が並んでいれば、天干は旺木(官殺)なのに、地支は旺金(食傷)になります。

乙戊甲甲
酉午申申

この場合は、ふだんの社会生活上は真面目で従順な言動をしやすく、勤勉で誠実な人という印象を与えるのですが、本人自身の人間性としては常に周囲への批判心や不平不満が強く、他人に対する攻撃心を内に押し込めている人と言えるのです。

by astro_suimei | 2017-11-05 22:09 | 四柱推命の基本

丁火の性質

陰性の火で炉や人工の灯火文明生活を支える明かりであり、熱によって鉄を溶かして精錬して有用な器物に作り変える力を持っています。

弱い陰干で元来は消えやすく儚い存在ですが、旺じればかなりの熱量を発揮して、剛強な陽干である庚金(鋼鉄)をも制します。燃料の有無、火勢の強弱(旺衰)によってその力量(温度)に大きな差を生じます。
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丙と同じく情熱的ですが表面的には大人しく穏やかに見えます。内面に激情を秘めているタイプ。

人工の灯火(炉火)であるため、常に燃料となる薪(甲木)を必要とし、ゆらめく灯火の如く、感情や思考にムラがあり、熱しやすく冷めやすく、集中力や根気が持続しにくい傾向性があります。

灯火は文明の象徴、炉火は工業商業の象徴であり、文化的・聡明で温順な人が多いと言われますが、身旺で旺火が過ぎる場合には、激情型の粗暴で騒がしい人物になります。

命式にある他の十干の影響を受けやすく、火力が弱すぎれば無気力になり、まったく覇気が無く、夢も目的もなくその日暮らしの人生を過ごすようになります。

甲と乙は多くの共通点がありましたが、丙と丁は同じ火の五行にも関わらず、その性質には大きな違いがあります。

陽干の丙火は、壬水に剋されることを喜びとしますが、陰干の丁火には絶対に水を掛けることはできません。たちどころに消えてしまうか、火力がある場合は反発現象(水蒸気爆発)を起して炎上します。
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炉である丁火の役割は、庚金の鋼鉄を精錬して世の中の役に立つ器物に作り変えることです。

猛火になっていても、壬癸水で剋すことは禁忌であり、庚金を投入して炉内の火勢を下げ温度を調節する星とします。

燃料となる甲木精錬物かつ温度調整役の庚金、この2つを離れることができないのが丁火の特質です。
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この丁-庚、丁-甲、を完備している命式は、鉄を精錬して工業製品に作り変える生産力を発揮し、特に製造業などで発展しやすくなります。

丙火と同じく「戊己の土」は晦火現象となるため嫌います。

<丁火の十干相互関係>

丁-甲(印星):よほどの身旺で無い限りは、この燃料を常に必要とします。甲があれば安定して燃え続けられるために持続性、計画性、精神的安定性を持ちます。秋冬月には特に必要となる星です。しかし、春夏月に甲木多ければ凶作用となります。印星の悪神として依存心、怠惰、都合のよい偏った思考回路となります。

丁-乙(印星):陰干のため丁火を助ける作用はありません。薪のような安定した燃料ではないため、思いつきの発想や偏った思考力にしかなりません。あっても大して害にはなりませんが、役にも立ちません。

丁-丙(比劫)よほど日干身弱の場合にのみ吉作用となります。秋冬月生まれにとっては喜神(用神ではない)となる場合が多い。しかし、夏月にあれば炎熱が過ぎて万物を枯死させ大きな凶作用を及ぼします。自分の思いを押し通すばかりで自己抑制が効かず、華やかにスポットライトを浴びることだけを求め、周囲環境を破壊し尽くすまで暴走し続ける自滅型となります。また太陽の隣にあれば灯火はくすんでしまい、本来の持ち味を発揮することができなくなります。

丁-丁(比劫):陰干のため日干を強める作用は期待できません。秋月に旺金が発達するのを防止する作用があり、庚辛金が多い命式では用神になる可能性もある。しかし、春夏月には丙火と同じく不要な星であり凶作用をもたらす。

丁-戊(食傷)光を遮って世に出られなくする悪神表現力やコミュニケーション能力に難を生じて、世間に才能を評価してもらえず、組織から弾かれやすい。余計なことを発言して神経を逆撫でしたり、偏った嗜好とこだわりが強く、頑固に意地を張って、自ら不幸になる道へ突き進んでいくような自滅性が出てきます。身弱であれば甲木、身旺であれば庚金によって、土を抑制します。

丁-己(食傷):戊と同じように「晦火現象」を起こします。力量の弱い陰干のため、戊土よりは災難は軽くはなります。まれに旺火で庚金が無い時に、湿土なので火力を下げる作用をする(庚金の臨時代用とする)可能性があります。

丁-庚(財星):丁火は熱量があれば庚金を精錬して変化させます。また火力の調整のためにも庚金は必要不可欠の星です。

丁-辛(財星):陰干の辛金は剋を嫌い、たとえ丁火であっても鎔かされてしまう憂いがあります。冬月に辛を見れば、化水(丙-辛干合)して火力を著しく弱める悪神として作用する場合があります。

丁-壬(官殺):丁火が最も恐れるのが壬水です。干合の関係でもあり、陽干の壬水から一方的に剋されます。精神的に不安定になりやすく激昂しやすくノイローゼに導きやすい星です。旺水ならば甲木(森林)に納水させて抑制するほかありません。

丁-癸(官殺):壬と同じく丁火が嫌う星です。甲によって助けるしかありません。

以上のように、十干同士の相互関係は、日干の強弱、命式の属する季節によって、その働きと吉凶が大きく変わってくることを知る必要があります。

たとえば、同じ丁-甲、丁-庚といった十干関係であっても、いつでも変わらず吉凶や働きが固定しているわけではなく、命式の月令、日干の旺衰によって、その作用と吉凶が180度も変わってくるのです。ここが四柱推命の判断が難しいとされるゆえんです。

by astro_suimei | 2017-11-05 20:33 | 十干論