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偏った命式の特徴をつかむ

四柱推命の古典で代表とされるのが『滴天髄』(てきてんずい)『窮通宝鑑』(きゅうつうほうがん)です。

『窮通宝鑑』は、四季ごとの命式の特徴を分類している古書ですが、この『窮通宝鑑』に習って<四季ごとの命式の傾向性>を見てみましょう。

(ちなみに、こうした古書をいくら読んでも実際の鑑定力はさほど向上しません。古書には古書の限界があり、現代の水準から見ればお粗末な内容や間違った理論が多々紛れていて必ずしも内容的に正しいとは言えないためです。)

なぜ四季月ごとに分類するのか?

それは「月支」が大きな力量を持ち、他の「五行の旺衰」を決定して、命式全体を傾ける主原因になるからです。

つまり、月支と同じ五行の星が多ければ多いほど「偏った命式」になり、四季月ごとの特徴がはっきり出てきます。
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例えば、夏季(巳午未)であれば、火が最強になり、土も発達しやすく、金や水は弱く枯渇しやすいのが自然の理です。そこに加えて、火や土の星が多くあれば、命式の傾きはいよいよ大きくなるでしょう。

このように、四季月ごとに、月支を中心として引き起こされる傾向性=命式の傾き、にはある程度の共通性があります。

例えば、甲日夏月(巳午未)生まれ、甲日冬月(亥子丑)生まれ、というだけの情報でも、その命式がそもそも備えている「命式の傾向性」※というのが分かります。

※ 何が悪神となりどのような作用を及ぼすのか?人間性や思考回路がどうなりやすいか?用神は何が必要になりやすいのか?

「四季月ごとの特徴」を背負って反映している命式が、すべての命式の「7割」近くになるでしょうか。

なので、日干 × 月支(四季月)によって、命式の大まかな分類をすることができます。世間のだいたいの方はこの「四季月の分類」に沿って大まかな傾向性が分かるのです。


もちろん、この大分類から外れる命式もたくさんあります。

「特殊格」(=強旺格や従格の類)がそうですし、他にも「月支以外の五行」ばかりが極端に多い命式がそうです。そういう例外は全体の2~3割ぐらいでしょうか。

例えば、夏月(巳午未)生まれなのに、地支が「亥子巳亥と水が多かったり、「申酉午酉」と金ばかり多かったり、といった例外がたまにあります。

こういった命式は、夏月生まれなのに、実質的には冬や秋に近い類型と見るべきでしょう。
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さて、雑気の月はどうでしょうか?

辰(4月)戌(10月)は専旺の五行がなく、明確な方向性に乏しい星ですから、他にどんな五行が命式内に多いのか?によって、いろんな方向になびいて変化していきます。

例えば、辰月であれば、湿土であり水局する支ですから

亥子が多く、天干に壬癸水があれば、辰は溶け出した泥水となり水の勢いに加担します。こうなれば、もはや「冬月と同じ分類」と見なければなりません。この辰には土や木の作用は微弱です。

しかし、寅卯辰寅のような並びであれば、東方合して木性が強く、土や水としての働きはほとんどありません。これは「春月と同じ分類」と見なします。

さらに、巳午辰午のような並びであれば、火星が強く、辰は「土の星」として専ら発達します。これは「夏月と等しい分類」になります。木や水の作用はほぼありません。

また、申酉辰酉のような場合は、辰中にはもともと庚や辛の蔵干はありませんが、酉辰で支合して金を産み出す働きに特化しやすく、ほとんど金性の味方にしかならない湿土になります。

ゆえに、これら雑気の月については、あまり分類自体が有効ではなく、かなり多様なパターンに枝分かれしていかざるを得ません。3~4ぐらいの可能性(分岐枠)を想定しておきながら、個々の命式ごとに特徴を読み取っていくしかないと思います。

四柱推命を初めて学ぶ方は、まず四季月ごとの「偏った命式」の特徴をよく学ばれると良いかと思います。

これは言い換えると
「月支」がどのような悪神となって、運勢や人格を傾ける作用を起すか?を把握するということです。

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by astro_suimei | 2018-05-29 23:01 | 偏った命式の特徴 | Comments(0)

偏った命式 甲木編

<甲乙日の偏った命式>

いちおう甲日の分類ですが、乙木も以下にほぼ準じると考えてください。

ただし、乙木は極端に「庚辛金」を嫌い、「壬水」の副作用が大きい点などで甲木とは違いがありますし、自立性の樹木と、弱いつる草の乙木では、基本的な性質(性格)はまったく違います。

甲や乙の木星は「頭部」や「神経」を管轄しており、命式内の木星が何らかの形で損傷/腐食することによってノイローゼ等の精神の病を発症することが多いのですが、特に甲乙日の人はメンタル面の安定性に注意が必要です。

【春季/強木】(寅・卯の月)
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甲木は月令を受け(月支に通根するため)身旺の傾向になります。
甲/寅卯が多ければ「強旺格」が成立しやすい季節です。

身旺に特有の悪質が出やすく、自己中心的でわがままになりやすく、自我が強いタイプになりがちです。

甲は天高く伸びる樹木で、良く作用すれば「向上心」となりますが、

行き過ぎた身旺になれば、負けず嫌いで競争心が強く、人の上に立つ(人を支配する)ことを喜びとするワンマン型になりやすいことに注意が必要です。

自分の目的を達するため、自分の欲望を満たすために、他人や弱者を踏み台にすることがないように、他人に対する配慮や優しさがどの程度あるか?によって人格の高下、運勢の上下が変わってきます。

また甲乙日生まれは、冬季以外は、生存のための「水の星」を欠かすことができません。たとえ春月の身旺であっても、水星が枯れてしまえば精神的な苦しみの大きい命式に転じます。

生き物・植物である甲乙木は、他の十干以上に「水と火」のバランスに注意を払う必要があります。

特に春季の甲木については、命式の構造によって、火を第1とするのか、水を第1とするのか、用神を取る優先順位が変わってきます。

「春の木は金を容れず」(滴天髄)と言われる通り、春季の甲木はたとえ身旺であっても庚金の官殺を忌み嫌います。


【夏季/焚木】(巳・午・未の月)
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火が旺じる夏月に重ねて丙丁/巳午未があれば、水は枯れ、樹木は炎上します。火の従児格が成立しやすい季節です。

「木火炎上型」で火が旺じる人は、気分屋で感情の抑制が難しく、瞬間湯沸かし器のようにカッと切れたり、感情的な爆発(癇癪)を起しやすい性格(躁傾向)となります。火の食傷は、派手、多弁、激情の星です。

印星である水が枯渇するために、理性や思慮が働かず、長期的視点で物事を考えることができず、衝動的・短絡的な言動を思いつきで繰り返しがちです。じっと落ち着いていられない騒々しい人です。

よって、夏季の甲乙木にとって「水の印星」は欠くことができない星になります。

また、甲にとって火星は「食傷」ですから、上記のような理由によっての失職・解雇を繰り返しやすい傾向があり職業的にも不安定です。

また、植物は夏になり成育旺盛で、盛んに「枝葉」をあちこちに伸ばして整った樹形が崩れていきます。自己顕示欲が強く、自分を良く大きく見せたいという見栄や虚栄心やプライドばかりが強くなりがちです。

私をもっと見てという自己アピールだけは旺盛です。饒舌に喋り虚言を並べることも度々でしょう。虚栄心を摘んで、みっともない樹形を整えるために、場合によっては「庚辛金の官殺」で剪定してやる必要もあります。

夏月の甲木は、寅卯に通根していれば、多少の庚金は恐れません。
(一方で性質が弱い乙木はいかなる時でも庚辛金を忌み嫌います


【夏季/折木】(巳・午・未の月)
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夏季は火だけでなく、命式の構造によっては、土の方が強くなる可能性があります。土の従財格が成立しやすい季節です。

土が旺過した命式は、火だけが多い「焚木」の命式とは事象が違ってきます

木にとって土は「財星」で「剋す対象」ですが、土を剋すためには「水の存在」が不可欠であり、

夏月で焼けた土はレンガのように固くなり、剋そうとしても反剋されて樹木の根が折れて傷みます。これを「折木」と言います。

夏月の焼け焦げた土の財星は、庚金の官殺以上に日干を圧迫する作用(乾殺)をします。そこに加えて庚金が巡れば、土は金星も生じてダブルで日干を剋害してきます。

戊己土は財星ですから、財や女性に対する執着心が異常に強く、ストーカー的な偏執性があり、こだわりや思い込みが激しい性格になりやすくなります。

思うように物事が進みにくく、木が折れて痛んでノイローゼを起しやすい人で、水の印星が完全に命式・大運から枯れてしまって欠落すれば、精神的にもおかしくなりやすく、枯死=生命の危険すらも考えられる状態になります。

このように、夏季の甲乙木にとっては、火そのものよりも、土が大過する方がむしろ危険度が高いです。

土は、水を塞ぎ枯らせ、金の官殺をも生じるためです。(雑気の戌月・辰月においても、土が大過すれば「折木型」となります)


【秋季/断木・倒木】(申・酉の月)
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秋になると、葉もすっかり落ちて、枯れ木になっていきます。春夏のような勢いはありません。

官殺の庚金が旺じる季節であり、庚の斧で切断されやすい季節となります。

(厳密には、すでに切り倒された死木/材木なのか、生きている生木なのかで多少の区別をしますが)

困難な環境、責められて苛められるような環境に身を置きやすく、切り刻まれるように神経が痛みやすくノイローゼになりやすい命式構造となります。

地支に酉申が多い命式は「埋金の鉄」と言って、寅卯の根を断ち切る作用が強く、寅卯へ通根しにくいことから、物事が長続きしない、根気が続かない、何事も簡単に諦めて心が折れる、というヘタレっぷりを発揮します。

庚辛金の剋害から身を守るために、癸水の保護を必要とし、命式や大運に水星があれば、官殺のストレートな剋が和らげられて命を保つことができます。

また、癸水の印星は、生じてくる災難の芽に注意して、先見の明をもって対策・計画を立てさせ「賢明に立ち振る舞う」ようにさせる用神ともなります。

悪神の官殺が大過することから、男性はとにかく仕事環境での心労が多く、女性は男性からの暴力等に注意を要します

しかし、このような命式の女性に限って、悪神の官殺を頼っての男性遍歴や不倫離婚を繰り返したり、ということを起しがちです。

男性は、通根なく根気が続かないこともあって職業を転々としやすく、転職する度に官殺は悪性を増して、かえって困難な職場環境にばかり当たるようになりがちです。


【冬季/流木・浮木】(亥・子・丑の月)

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冬は寒気が極まり、植物は地上部が枯れて、地下の根や種子だけに生命活動が限定されます。冬の甲乙木は「萎縮している」のが特徴となります。寂しさ、孤独を感じやすい人です。

春や夏の樹木のような向上心、発展性(気概)には欠け、悲観的・消極的で精神的にも不安定で鬱病になりやすい傾向があります。

甲乙木にとって、水の星は「印星」であり、巷の四柱推命では「日干を強くする」と見るでしょうが、実際にはその正反対であって

冬月の壬癸水は「悪い官殺」と似たような悪神として作用し、日干を著しく弱めます。(根を抜いて腐らせる)

いくら水の印星が多くても、冬月は「身旺」と見ることはできません

冬の水は凍結・氷結して「霜や雪」となって樹木を痛めつける作用となります。また水多により「根腐れ」を起します。(冬季は月支以外の水の星はそもそも不要なのです)

ゆえに、まったくの「身弱」と考え、「寅卯への通根」を第一に求めなくてはいけません。風雪に耐えて、しっかりと根を張って自立心を養い、根気よく物事を持続していくことが「人生の課題」となります。他人をあてにしないで、自分で努力して自立奮起することです。

しかし、冬季の甲乙木にとって一番難しいのが「他人をあてにせず、自力で努力して、根気強く1つのことを頑張る」ということです。印星が旺じる月ですから、印星の悪作用である「他人の援助を期待する」「依存心・依頼心が強い」という傾向になりやすいからです。

冬の水は、甲乙木を質的に強くする作用は皆無で、かえって洪水のような激流となって、根こそぎ引き抜いて押し流す脅威となるのです。これを「流木」と称します。大運においては、壬水や亥子が巡ってくることで「流木の現象」にスイッチが入ります。

環境の激変を生じて、それまでいた家庭(結婚環境)や職場(仕事環境)から「流れ出す」「追い出される」ような事象が起きやすいのです。結婚している女性であれば、夫から離縁されたり、家庭から追い出されるような現象を起しがちです。

命式内に「寅や卯」の根となる地支があり、しっかり通根していれば「流木の危険」は軽減することができます。(流されずに留まる)

流木となった甲乙木は流されるままに転々と流れていきます。流浪性・漂流感が止まりません。職業も異性も転々と遍歴して止まりません。

「秋季の断木倒木」と原因構造は違いますが、根が張れてないことが原因なのは同じで、寅卯への通根がなければ物事の持続性・継続性が無く根気が続きません

女命にとっては、水は女性らしさ、女性ホルモンを示す星であり、大過して悪神となるので、流産を起こしやすく、婦人科の病気が頻発します。また、印星が悪神となるために鬱病やノイローゼを起しやすくなります。

女命は特に、水多の「女の魅力」を武器にして、自分の寂しさや孤独を埋めようとして「誰でもいいから私を構ってほしい」という心理になりやすく、「溺れる者は藁をも掴む」のとおりに、ロクでもない相手と男性遍歴を繰り返して、かえって自分を傷つけがちです。これも水の印星が「官殺のような悪作用」をするためです。

丙火はいちおう「喜神」と見て良いでしょう。メンタル面でバランスを取り、鬱的に精神が落ち込んで過度に萎縮することから守り、明るい希望や夢を持たせたり社交性を持たせる作用をします。しかしながら、そもそもの「寅卯の通根」が無ければ、喜神の火星だけがあっても抜本的な改善には至りません。

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by astro_suimei | 2018-05-09 23:35 | 偏った命式の特徴 | Comments(0)