月令を得て身中以下の命式は大運を精査すべし

この命式は、丙日夏の未月に生まれ(月令を得ている
月干に比劫の丁火まであるので、初学者は「身旺」であると判断しやすい命式ではないかと思います。
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しかし、命式の構造をよく見てください。

申申が月支未を囲んでおり、時柱は壬水が乗った辰です。
この辰はもはや泥水に変化しつつあります。
土や木の作用は皆無で、泥水となりつつ申金を強めている支です。

「壬水」が年干にも時干にも出ており、かつ月干「丁火」と干合して強力に剋して鎮火しています。

結果として、日干の味方は・・月支の「未」だけとなります。

夏月旺気の巳や午と違って、晩夏の未はあくまでも雑気の支であり、いちおう火土の味方になる支ですが、蔵干に「陽干の丙火」を含みませんから、未の単体だけならば通根の力量は午巳よりは劣ります。

この命式は、夏月に生まれていながら、実質的には秋冬に近いような命式です。

以上から、この命式は典型的な「身旺の身弱」に分類される命式だと考えます。

「身旺の身弱」というのは、月令を得ているので、身旺のように(勢い/積極性/行動力)があるように思えるのですが(この命式は大運変化を待たなくても)原命式においてすでに「身中」を越えて「身弱寄り」に転じていると判断すべき命式です。

このように、月令を得ているにも関わらず「身旺」とは判断できない命式は、以下のページでも解説してあります。


「身旺の身弱」は、表面的(見かけ上)は「身旺」のように見えますから、パワフルで自分から前へ前へ出て行ってガツガツとした積極性がありように見えて、多くの身旺の命式がそうであるように「根拠のない自信」「自分はできるという自負心」をなぜか持っていることが多いのですが

本質的には「身弱」の要素を内包しており、何事も竜頭蛇尾で終わりやすく、物事が中途挫折したり、ちょっとした妨害や障害に逢うと、簡単に心が折れて途端に「意志薄弱」になってしまう傾向があります。

それだけならばまだしも、この方の場合は、大運が申酉⇒亥子丑と西方や北方を長く巡ります。

しかも、専旺干支で「壬子」や「癸丑」が巡ってくるのですから、かなり大変な生年月日であることを意識しなければなりません。

命式と大運を総合して、悪神は「水&金」の財星官殺であり、用神は「甲木の印星」しか取れません。喜神として丙火(午巳未の通根)は考えられますが、丁火は壬水に干合してしまって効力が無いので使えません。

事象としては「財星大過」や「官殺大過」の現象を想定することになります。

財星の申金が、官殺の壬水を生じ強める「財官双旺」ですから、財星が物事のキッカケを作って、忌神の官殺を呼んで連れてきて、日干を苦しめることになる、と理解するべきです。
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命式内にもともと「用神の甲・寅卯」が皆無で、大運を見ても60才以降にならないと用神の甲・寅卯が巡ってこないので、無意識に惰性に流されて生きていると、悪神の示す通りの落とし穴に誘導されてしまいやすく

よほど本人が自覚して、用神の方向性に「軌道修正」をかける努力を続けていかなければ、将来に予測されるであろう災難を完全に回避することは難しい。それだけ慎重に「思慮深く」生きなければ危うい生年月日であるということです。まずそのことに気がつくことが第1歩です。

26才5ヶ月で12月から「庚戌」の大運に入りますが、申戌で西方合し、庚金が天干にやって来ることで、隠れて地支(申)だけにあった財星が露見(透干)します。それにより、財星大過の忌象が出てくるでしょう。

日干が身弱に転じて、財星が忌神に変化するということは、お金を扱う仕事、投機やギャンブルなどの金融業、女性関係すべてが裏目に回るということです。

庚戌」のあたりだと、まだ命式中の月支「未」が(死滅はしておらず)有効で、日干は「通根」してある程度は力量を保持していますから、辛うじてギリギリで「身中の範囲」だとも判断でき、庚の財星が吉凶どちらの作用を現わすかは「年運」単位で変わってくるかもしれません。

庚の財星が露見してくるわけですから、女性の影もチラホラしてきます。

この命式には、地支に隠れている財星(申)が2つあります。世間に見えているところでは1名の女性(大運の庚金)とステディにお付き合いし、世間からは隠れて見えないところで暗につながってくる女性が2人ぐらいはいるかもしれない、ということを暗示します。

日干の力量があるうちは女性を引き止めて(剋してモノにする)おけますが、日干が弱性に転じて財星の方が強くななるやいなや、財星(女性)は日干を裏切って去っていくでしょう。いわゆる力量によるシーソーゲームです。

相手の女性を引き止め続けるためには「お金」を貢がなくてはならなくなり、お金を目的にした女性ばかりと出会いやすい、女性にかえって振り回される、という傾向になるのです。これは財星が悪神に変化して不利に働くように変わるためです。

原命式の地支が「申金の財星大過型」で、大運でも若い頃から申酉戌・庚という西方金運を巡っているのですから、投機やギャンブルが好きで、他人のお金を扱うような仕事・職種をみずからの意思で選択しやすく、一攫千金のような大博打を夢見る傾向性があるのでは?と聞いてみたいところです。

しかし、この「庚戌」の大運は、まだ事象悪化のほんの始まり(予兆)にすぎません。
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本当に大変なのは、次の「辛亥」以降です。

ちなみに、大運の干支は、命式の全体にダイレクトに影響を及ぼすのですが、あえてイメージしやすくするとすると、日干と月柱の間に割り込んできて、月柱よりも強い影響を命式全体に及ぼす感じでしょうか。

「辛亥」になれば、日干丙は辛と干合し、大運支は水星が旺じる「亥水」ですから、化水してしまい、辛は癸水に変化して日干をさらに弱めます。

地支は、亥水が来れば(子水でなくても)「亥-辰-申」で擬似的に三合水局の気配となり、地支がいよいよ水星が増えて不安定になってきます。

申金はもはや金星だけでなく、半分水星に変化してしまい、両サイドから「月支の未火」を剋し始めます。

日干は唯一の通根を失って(未が無力になり抜根して)一気に「極弱」に転じることになります。

こんな風に、大運の推移に伴って、命中にある「各々の星の力量」がどう変化していくかを読み解いていくことが「力量論」の本懐です。
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さらに、次の「壬子」の大運に至ると、天干が壬壬壬丁のトリプル妬合になり、地支は「子-申-辰」で完全な水局完成となり、「未」は水剋火により完全に潰されます。大津波が来て全てを押し流すような情景です。

上記のように「辛亥」や「壬子」の大運が来れば、<命式/日干を構成する全ての星>が動揺して崩壊してしまう危険性を秘めているのです。

この命式に関して、まず最初に留意しておかねばならないのは上記の点です。この来るべき大災害をどうやって最小限の被害に抑えるか、減災の備えをしておくか、という視点から鑑定していきます。

悪神の財星が先にあって、悪神の官殺を連れて来て、日干を苦しめる連動型ですから、お金の問題、女性の問題が災難の発動するキッカケとなります。そのトリガーを自ら引いてしまわないように自制し慎重に生きなければなりません。

事業の失敗、投資の損失、女性に借金を肩代わりさせられる、女性に大金を貢がされる等々が物事の始まりとなり、そのことで首が回らなくなり、

「辛亥」の後半(41才)ぐらいからは、仕事の件でも多くの問題や悩みを生じて、普通の会社勤め(サラリーマン)が辛くしんどくなって続けられなくなってくる可能性があります。官星が大過して極弱の日干を責めてくるからです。

官殺大過の日干極弱となれば、メンタル面大病(心臓や血圧などの循環器系、水星大過だと腎臓関係)にも注意を要します。もともと心臓病や高血圧、腎臓疾患(若年性糖尿病など)の兆候があるならば、しっかり検診や治療を受けておきましょう。水星が大過して、火星を剋す運に入るからです。

「薄氷を踏むように」慎重に生きていかなければ、自分は「やれる/できる」「儲けられる」「女性にモテる」と錯覚してイケイケの調子で生きていると、とんでもない爆弾を抱え込んで自滅しかねない運勢であることを意識しておかなくてはなりません。

まだ26才ですから、辛亥の大運に入るまでに、10年の「対処準備/猶予期間」があります。

推命学の大きな役割は「先じれば制す」「未病を処して大病を防ぐ」「転ばぬ先の杖」です。悪神の傾きにどっぷり引き込まれて大きな災厄を自ら発生させる前に、先を予測して、命式の星の傾きに逆らって歩んで、あらかじめ災難の芽を摘んでしまっていれば、被害は最小限で抑えることができるのです。

「甲木の印星」を用いて、先の見通しをもって、思慮節制を働かせつつ「堅実」「地道」に生きるような生き方に転換していくことですね。博打を打って起死回生するような考え方は捨てることです。

どのような職業を選ぶかは、最終的には本人の自由意志ですから強制はしませんが、できれば木星の分野(教育、福祉、食品加工、繊維紡績、医療)で専門技術や知識資格を修得して、持てる技能の範囲内で(ギャンブル的なことは考えず)堅実な職業生活を送るようにするのが災難を避ける最善の策でしょう。

誰の人生にも、用神の旺じる吉運と、悪神が旺じる凶運が巡ってきます。一生ずっと吉運だけが続くような人はいません。人生のどのタイミングで各々やってくるかの違いでしかありません。

(河の流れに喩えるならば、用神の旺じる吉運は、川幅が広く流れも穏やかな場所であって、小舟にたくさんの荷物(願望・欲心・執着)を詰め込んでいても、転覆せずに楽楽と通過していける様子ですが、

悪神が旺じる凶運は、川幅が急激に狭くなり、激流であちこちに暗礁の岩や岸壁が迫り出ていて、あれこれの不必要な荷物を積んだままだと、小舟は転覆するか、岸壁や暗礁にぶつかって大破してしまうしかなくなるような状況です。

そのような時期は、自分がいま抱えている荷物、あれこれの欲望(悪神への執着心)を「棚卸して」「積み替える」ことを求められているのです。

これまでと同じような積載量のまま(あれこれの欲望満載で)行けば転覆しますが、不必要な積荷を下ろして、あれこれの執着や欲望を折り畳んで、本当に大事なもの=「用神の一事」だけに絞って積み荷を載せ変えて軽くして行くならば、河の流れの中にはところどころ瀬や淵もあり、意外と流れが穏やかになっていて通過できる「隙間」があるのです。)

さて、結婚相手を選ぶにしても、第一条件は「寅卯月」生まれで、かつ身中~身旺の女性で、今後の大運が良い運に向っている面倒見がよい世話好きな女性でなければ、今後の困難な時期に助けにはなってくれないどころか、かえって女性に騙されて借財や破産を被ったり、裏切られて様々の傷を残していくような女性の方に悪縁が生じやすい、と考えなければなりません。

特に「辛亥」の大運は、丙辛で財星は干合しつつ化水してきますから、弱そうな辛金ごときなら自分が思うようにコントロールできると踏んで捕まえた可愛い小娘にすっかり化かされて身ぐるみ剥がれて・・・ということが起こりかねません。

まだ「辛亥」の大運も来ておらず、「庚戌」に入ろうかどうかという大運の入口で、これから後々の大きな災難につながっていく事象のキッカケ作りが始まっていく・・・そんな時期に差し掛かっています。

今から自制しつつ最大限の開運努力を重ねていけば、10年後に向けて「減災の備え」ができるはずですから、用神をしっかり活用して、悪神の誘引力に惑わされないように、災難のトラップをみずから開封しないように、用心して生きて下さい。

by astro_suimei | 2018-11-03 00:25 | 練習問題(構造分析)


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