普通命式では「格局」を定める必要はありません

タイトルの件ですが、この手の質問や混乱した内容のコメントが多くて少々辟易なので書いておきます。

・明らかに普通命式(内格)にも関わらず、私は「従財格」ですか「従殺格」ですか?といったような質問をされる方

算命学と四柱推命の区別がそもそもわかっておらず、算命学で言われている雑多な格法(正気財星格やら雑気官格やら)をそのまま書き込んでおられる方

などが多々見受けられます。言うまでもないですが、算命学は算命学の先生にお聞きください(笑)

世間で流布している「元命星占い」に由来する雑多な理論では、普通命式(内格)を「8つの格」に分類する「八格法」がメジャーとなっています。


⇒ 内格の八格法について②


上の用にちょっと検索すればいくらでも似たようなサイトが出てくるので、ここで具体的にいちいち説明しませんが

バッサリ言ってしまえば「月支元命星」を云々言って有り難がる「昭和初期の迷信的な四柱推命」の負の遺産にすぎません。

もちろん、そのように「八格」を定めて、鑑定上に大きな意味があり役に立つのならば大いに結構なのですが、実際には「全く役に立たない」どころか誤占のモトにしかなっておりません。

ですから、これまでの記事をよく読んでおられる方はすでにお分かりでしょうけれど、

特殊格(外格)の場合はきちんと格局を細かく限定していく必要性があり、それがそのまま命式の示す「性格」「傾向性」「能力」「用神の選定」に直結していきます。ゆえに外格だけは「格局」を詳しく立てて説明しているのです。

しかし、内格においては既存の「格局論」(八格法)やゴチャゴチャした有象無象のおみくじ的な格法があるようですが、結局のところ鑑定上何の益にもならず誤占のもとにしかならないため、一刀両断で捨て去っており使用しておりません。

「内格」(普通格局)であれば「格局名」(八格法で)を決める必要はありません。

なので、明らかな普通格局(内格)の方が「私は従財格ですか」等の書き込みをされていても、今後お返事は致しませんのでご了承ください。(というか過去の記事を丁寧に読めば、特殊格の成立条件は自ずと分かることです)

ちなみに、上掲のリンク先には以下のような記述が見られます。(他サイトもおしなべて同様ですが)
1  月支の本気が、天干に透干すれば、それが格局になります。
2  月支の蔵干中にある干が透干すれば、それが格局になります。
3  月支蔵干中にも、透干している五行がなければ、月支中の本気を有力視します。中期、余気が命式中で強く有力であれば、それらをとって格局を定めます。
4 比肩、劫財は、基本的には八格には入りませんが、どうしても取る格がなければ、比肩を建禄格、劫財を陽刃格としてとります。

一見して、もはや何のための「格局法」なのか意味不明なのです。
「格」をなんとしても定めないと鑑定ができないかのような錯覚に陥っているのではないでしょうか?

まず前提からして、これらの格法理論は「月支元命星」をありがたがる誤った理論に由来しているものです。

さらに、地支蔵干についても「余気・中気・本気」というふうに「深浅」(分野蔵干表)により蔵干をただ1つに絞らないと気が済まないタイプの四柱推命です。なぜか?そうしないと「月支元命星」が確定できないからです。

このブログを丁寧に読んでこられた読者の方はお分かりのように、これらは理論自体に誤り(無理)があるのです。

「月支」はほとんどの命式において、命式全体のバランスを傾ける「最たる悪神」として作用するのであり、およそ「用神」にはなりえません。

月支が「用神」となるような命式は、外格(強旺格・従格等)もしくは、月支以外の五行が多すぎて大過している命式ですが、たいていそのような命式=「月支しか用神に取れないような命式」はそもそも「佳良な命式」とはいいがたく、大運第3運以降に急激に崩れるケースが大半です。


戊戊

ちまたに流布している「八格法」によると、上の命式の場合は、月支蔵干で透干しているもの(壬癸)が無いので、日支蔵干から見て透干している戊土をとって「偏官格」とするか、もしくは「建禄格・陽刃格」などと命名するようです。

とにかく、何か「格」を命名しなければ気が済まない or 「格」に分類されると何かありがたい気分になる、というだけのことなら、別にそれは構わないのですが、

問題はこうした「八格法」の理論が、定めた格の通変星に従って「用神」を決める点に重大な害悪があるのです。

ここで顔を出してくるのが、凶星の偏印が吉星の食神を倒し、正官は吉星なので喜ぶ、印綬は財星を見ることを嫌う、といった「通変星占い」役に立たないアノ理論です。

これらの理論における「用神の取り方」は、格名となった「通変星」を中心として何が吉星か凶星かを定める、というものです。これは実際の鑑定においては当たり外れこそ大きく、実態とまったく合致しない誤占の原因となります。

このように、内格の「八格法」と言われている理論は、結局のところは「月支元命星」「通変星占い」の域を出ない雑多な理論にすぎません。鑑定上はまったく使いモノにならない基準なので、バッサリ捨て去ってしまって構わないのです。

では、内格の場合に、命式を分類するための「枠組み」「格局論」が全くないのか?という問う方もおられるでしょう。

それがすでに書いているところの、「日干」×「月支」(四季月)ごとの分類枠(偏った命式論)なのです。

内格の場合は、この分類自体がほとんど格局論と同じような類型となりうるのです。そして、こちらの方が、実態(性質・事象の傾向性)用神選定の上でも遥かに「正確」です。

戊戊

例えば、この命式の場合は、月令を得ていますが、月支以外に日干の味方となる五行が皆無です。

財官の火土で埋め尽くされている「身旺の身弱」の典型的命式です。月令を得ている以上は、日干の働きを放棄して「従格」(特殊格)にもなることもできません。

このような命式だけが、きわめて例外的に「月支しか用神に取れない命式」と呼ばれるものです。これは極めて稀なケースです。

この命式は、冬月生まれなれど、実質的には夏月(巳午未)に分類されてよいような命式で、月支以外の五行が方局して大過しすぎているのです。よって、本当に取りたい用神は庚・申酉で、次善の喜神が壬・通根です。

庚辛壬癸甲乙
寅卯巳午未

月支と同じ五行の大運地支(亥子丑)は、大運の巡り(月支が起点)からして、幼少期にしか巡って来ないわけですから、この命式の大運においても、大運第2運が辛うじて「丑」の北方水運で、それ以降は寅卯辰巳午と木火の強い運(東→南)に巡り、非常に不利となります。

多くの特殊格(外格)が、大運第1~3運あたりの成人するぐらいまでの運気が極端に良く、それ以降になって急激に破格する傾向が多いのも、まったく上の命式と同じような理由からです。「外格」もまた月支の五行しか用神になりえないような命式という点では同じだからです。

このように、ちまたで流布している「内格の八格法」は鑑定上なんら益にならず使いモノにならない、ということですので、雑多な理論に惑わされないようにお気をつけ下さい。

ちまたのブログには、書いてる本人自身もよく分かってないままに、(善し悪しを判断できないので)いろんな本に書いてあることを鵜呑みにして、とりあえず網羅的に書いておけば体裁が付くだろうと思って書いているような頼りにならない記事がたくさんあります。

言うまでもないですが、十二運、神殺、空亡(天沖殺)、支の刑害破なども「まったく使いモノにならない理論」で誤占のモトにしかなりません。用いる必要性がありません。

(支の「刑害破」は断易や六壬では用いますが、四柱推命では用いません。「支合」もあまり大きな作用ではないので、剋合・生合などの分類はしますが、まずもって特殊なケースでしか考慮しません。また「支合」による合去ということもありません)

「月支元命星占い」「通変星占い」に始まった「間違いだらけの四柱推命」がいまだに駆逐されずしぶとく残っていますから、何が実践で本当に使える間違いの少ない理論なのかを、皆さんもご自身でよくよく精査されることをお奨めいたします。

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by astro_suimei | 2018-06-17 23:46 | 地支論 | Comments(0)