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暴走するトランプのその後

トランプの命式を再掲してみましょう。
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地支が完全に火土で方や局をしている極身旺の命式です。

焼け焦げた焦土疎土ですから、偏固な考え方と自負心に凝り固まり、他人の意見に耳を傾ける柔軟性はもともとありません。

今年は「戊戌」ですから、悪神の比劫が巡ることで、さらに頑固偏屈になり孤立するような自己主張をしやすい年です。

極端すぎる身旺ですから、わが身の利益、身内の利得しか考えられず、欲心だけで強引な言動を繰り広げ、周囲からひんしゅくを買って孤立して、結果として回り回って自分の首を絞めることになるのが、こうした極旺の命式の特徴です。

「米国第一」「身内利益第一」「自画自尊」「弱者無視」になるのは、命式の示す通りの悪質のままにこの人が生きているからです。

身旺の人間は、自分の利益ばかり考えて行動していたのでは、いつまで経っても事象も環境も対人関係も良くならず、本人も幸せにはなれないのがセオリーです。欲心に従って自分の思い(自己主張)を押し通すということと、周囲他人からも認められ受け入れられて円満に幸福に至ることとは、同じことではありません。

身旺の人間は、欲心だけが暴走し、周囲や他人を省み配慮できないため、自我を押し通すことで周囲を破壊し傷つけ振り回す現象を起しがちです。

しかし、自我をゴリ押しで通せる、わがままを張ることで、結果が良くなるわけではなく、かえって世間から排除されて受け容れられなくなる結果をもたらし、最終的に自分の首を絞めるまで気が付かないのです。

この命式は時柱不明ですが、大運を見た限りでは、チラホラと用神(金)喜神(水)が巡っていたので、ここまで体面を保ってこられたのだと思われますが、現在の「辛丑」は陰干の辛金であり、用神としての作用はほとんどありません。

庚金と辛金では力量と作用がまったく違い、辛金には焼けて偏固した土を冷却して漏らすような働きはありません。なんとなく「良いことがありそうな」雰囲気だけを漂わせるのみで、実質を改善して結果までもたらすような力はありません

しかも、この命式においては、年干に丙火が出ているので「丙-辛」で干合となり絡め取られてしまい、およそ良い作用にはなりがたい。(悪神の丙火を弱める作用はあるが、辛金が潰れる現象も同時に起きるため、むしろ害の方が大きいでしょう)
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時刻に関しては、甲・己日なので、時間によってかなり偏りがあります。

壬申、癸酉の刻であれば「用神や喜神にある程度の力量がありバランスが取りやすい命式」になります。その場合、もっと常識的な人柄となり、他人に対する配慮ができるはずです。

もともと、命式内部に用神の申酉があるのであれば、まだしも人格的にはバランスが取れ、少しは他人のことを省みようという思考回路が働きますが、

命式にもともと用神の金星が皆無であれば、そのような思考回路は持ち合わせておらず大運で後天的に「庚・申酉」が巡って来たとしても、一時的に外的環境が運勢良くなるだけ

(よほど本人自身が意識して自己改善に励む努力をしない限りは)大運で期間限定で通り過ぎていく「用神」は「本人自身の人間性や思考回路を変える」ような働きはしません

現実の事象や人間性から考えると、丙寅、丁卯、戊辰、己巳、甲戌、丙子、甲子あたりの可能性の方が高いでしょう。

火炎土燥で水星が枯れて焼け焦げている命式ですから、本能的・潜在的に「水」(=財星)が欲しくて欲しくて仕方が無いのです。お金にがめつく、ケチの極みで、財の争いを起こしやすく、女性問題、財産トラブルが頻発します。こうした身旺特有の現象を「比劫争財」と言います。

月干に甲木の官星がありますが、甲木は水星が無ければ枯死して生存していけない星ですから、この官殺はただ付いているだけの全く力量がない死んだ星に過ぎません。丙火の火源となって旺火をさらに炎上させる作用しかしていません。

しかも、この甲木は日干と干合しており、地支が未午戌ですから「化土」して戊土に変化する可能性が大です。

よって、官殺として日干を制御・抑制・規律する働きはまったく無く、実態の伴わない「名誉心や虚栄心」ばかりを掻き立てる働き感情的に激昂させる作用しかしません。名誉を求める虚栄心を駆り立てた後に、化土して「悪神の比劫」(戊土)に変わり、さらに自我の面を厚くする作用をします。

おそらく、今回の「米朝会談」に踏み切った動機は、自分自身の利益と名誉につながると踏んだからでしょう。

11月の中間議会選挙において、下院で共和党が多数派を失って民主党優位となれば、大統領の訴追・弾劾が動き出します

それだけはなんとしても避けたいと思っているトランプは、外交面で何か得点を稼ぎたい。北朝鮮絡みで指導力を発揮して、初の米朝会談を断行すれば歴史に名が残り、上手くいけばノーベル平和賞をもらえる、という欲心が働いたのでしょう。

おそらく、日本の安倍総理も、トランプの人間性と強すぎる欲心を逆手に取って、これまではある程度は誘導してきたのだろうと思います。しかし、もうそろそろ「糸の切れた凧」状態でコントロールが効かなくなってきているのが見て取れます。このままトランプに追従するのが良いのか、国際協調路線に梶を切るべきなのか、判断の分かれ目でしょうか。

安倍総理自身の大運の変化からしても、来年以降は用神の卯木が去っていくので、ますます思い通りにトランプを操作誘導していくことが難しくなるはずです。

世界的に見れば「北朝鮮問題」自体はそれほど大した重みはありません。実際の軍事衝突にならなければ世界全体への影響など微々たるものであり、アメリカ国民の大半は極東アジアの問題などたいして関心がありません。

むしろ、世界全体へのインパクトが大きいのは、トランプが全世界に見境無く仕掛けている「貿易戦争」の方です。こちらは世界経済の全体をおかしくしてリーマンショック並みの大恐慌を招きかねない重大なリスクを抱えています。

トランプは自分の利益しか考えられない人物ですから、11月の中間選挙で共和党と自分が支持されることだけで頭がいっぱいです。

共和党のコアな支持層は、元製造業の白人ブルーカラー失業者ですから、保護主義の姿勢を見せて、国内の産業を守るという姿勢をアピールしなければ支持者離れを招きます。ゆえに、11月中間選挙が終わるまでは貿易戦争を引っ込める要素はありません。

トランプの今後の大運をみると、今年72才で「辛丑」前半の辛金の運が終わります。翌2019年からは「丑の運」に入っていきます。

「丑」は雑気の支であり、内側に辛金・癸水を含んでいると言っても、専旺の用神(申酉や亥子のように)は作用せず、中途半端に土の味方にもなりえます。

来年以降のトランプの立場は、大きく潮目が変わって微妙なものとなっていくことが予想できます。11月の下院選挙で共和党が大敗すれば、民主党主導となり大統領の弾劾訴追に向けて外堀が埋められていくでしょう。

北朝鮮の金正恩は、そうしたトランプの不安定な足元を見透かしていて、再来年にはいなくなるだろうトップとの声明=いつでも約束など反故にして解消できる、とタカを括っているではないでしょうか。

今回の米朝会談は、外交での点数稼ぎと名誉が欲しいトランプの欲心と、経済制裁を緩めてもらい一時的に敵の目を欺いておきたい金正恩の思惑とによる「妥協の産物」です。北朝鮮の時間稼ぎに利用されるだけで、実質的な成果に至らない可能性が大と見ておくべきでしょう。

トランプのいる大運は「辛の熔金」であり、中国の習近平も「辛の熔金」(破財)の後天運を巡っています。

つまり、米中の貿易戦争・衝突(極身旺の者同士による自我の張り合い)によって、経済的に大波乱・大停滞が生じる可能性が高いと見ておくべきでしょう。

辛の象意は、貴金属や宝石ですが、推し広げれば、小型かつ高価な精密機器類(スマホや半導体などの電子部品)やレアメタルなども含まれます。これらの産業が潰れることで経済がガタガタになる事態が発生することを懸念されます。

日本経済も調子が良いのは今年の前半まで、後半からは波乱の展開になっていくでしょう。安倍総理が次の総裁に三選するかどうかまだ不明ですが、来年以降は運気が急激に下がっていく以上、政権運営も日本経済もままならなくなる可能性が高いです。

2020(庚子年)の東京オリンピックは、オリンピック開催にも関わらず「深刻な不況」に陥っている可能性があり、その時の総理は「経済政策においても外交においても無為無策ではないか」と世論からバッシングされているかもしれません。

自民党内部では、来年の参院選に向けて、誰を党の顔にして戦うべきかで内輪揉めが始まっています。再び安倍総理をそのまま担いでいくのか、他の人物を立てるのかによって、少なからず日本の舵取りが変わっていきそうですね。金水の星が用神で、大運の後押しを得ている人物が総理になれば最善なのですが。(5人の候補者の命式を見れば、まだ小泉進次郎あたりがマシな方でしょうか)

by astro_suimei | 2018-06-16 08:10 | 著名人の命式研究