練習問題(1) IKKOさんの命式

【1962年1月20日生まれ】
「どんだけ~」「まぼろし~」でおなじみIKKOさんの命式です
時柱不明なのですが、とりあえず3~5時ぐらいを想定してみました。
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【大運干支の順序】

 → おかまちゃんかどうかに関わらず、出生時点の「性別」を鑑定のベースとします。

年柱は辛丑です。男性=陽、に対して、年柱=陰、ですから大運の回り方は「逆運」となります。たぶん、読者のみなさんには分かりきったことで、あえて書くまでもない基本事項ですね。

大運の順逆」は意外とうっかり間違えをしやすいですから、性別と年柱陰陽をもう一度確認しなおして、大運の順逆と一致しているかを確認する習慣をつけておくことをおススメします。

【大運の区切りの年齢】

 → 立運計算だと4年9ヶ月が区切りとなります。

いちおう4才周期となっていますが、大運が変わる節目は、正確にいうと各年代の末尾5才になる誕生月の3ヶ月手前です。つまり、24才、34才の年の「戌~亥」月ぐらいが厳密な大運上の区切りと言えるでしょう。

(2)天干・地支の力量を分析する

◆この命式はどの季節に属しますか?
月支の旺気=最強の五行は何ですか?

 → 丑月は冬です。雑気の支ですが丑月はいちおう水が最強になる月です。

◆各地支の蔵干はどういう構成になっていますか?

 → 地支蔵干は上の表にあるように、2~3の蔵干が同時に存在しています。
 この命式は丑丑と2つの丑が並んでいます。
 
「月支の丑」は季節を司っているので水の力が強いのですが
「年柱の丑」は季節の支ではないため、蔵干の癸辛己はどれも同等の力量と見ます。
命式に多い五行が有力になるのが雑気の支の特性でしたね。

日干が戊土年月天干に辛金が並んでいます。そして壬癸水は天干に出ていません

なので、月支の丑は水星としての作用が強いのですが、年支の丑は「金」と「土」が主たる作用であると考えます。

天干に出ている星が「土と金」であり、他支に「午火」があり、亥子の水の支が命式内に無いからです。

よって、2つの丑があっても、月支かそうでないかでその働き方は違うと見ます。

◆どの天干が、どの地支に通根していますか?

日干は、日支の午にしっかり通根していますが、
丑はあまり有力な根にはなりません。土の根としての実態は無きに等しいものです。

時干の甲木は、時支の寅に通根しています。

年月に2つ並んでいる辛金はどうでしょうか?

丑の蔵干には辛金があり通根していると見れますが、命式に酉申といった金性の支が存在していないので、あまり有力な通根にはなりません。

ただし、命式内に数が多いものが強くなるという原則から、天干に辛金が並んでいることで、丑中の辛金もシンクロして(専旺の申酉には遠く及びませんが)それなりの力量があるかとは思います。

もともと金性が強くなりうる素地がある命式であり、大運において庚や酉申がくれば急激に金性が強まる構造をしています。

◆地支に「局・方合・七沖」はありますか?

午と寅は隣接することで「火局半会」の作用があります。

「丑」は水星が多くなれば水に傾き、金星が多ければ金に傾き、火星が強くなれば「土」の味方に寝返る風見鶏の支ですから、命式だけではまだ何とも言えず、大運の推移に伴ってどちらにも転びうる可能性を残しています。

◆天干に「干合」はありますか?

命式において天干に干合はありませんが、後天運で何が来ると干合が発生するのか?は把握しておかなくてはなりません。

辛金は丙火がくると干合されて合去します。日干戊は癸水がくれば干合します。甲木は己土によって合去となります。これらの星が大運のどのタイミングにやって来るかに注意が必要、ということです。

◆天干はどんな通変ですか?
月支の旺気はどんな通変に当たりますか?

甲木は「官星」、辛辛は「食傷」、丑月の旺気である水は「財星」です。

もし壬癸水が天干に出ていれば「財星大過」の傾向になりますが、この命式は天干に「財星」が出ておらず、地支に潜在的に隠れて存在しているだけなので「お金がほしくてしかたがない」「お金に執着する」「楽して稼げることばかり」を考えるようなタイプではありません。

通根した木の官星2つ並んだ辛金の食傷がそれなりの強さを持っているとすると、神経質、過敏で真面目な性格でありつつ、細かなことに大変こだわるタイプだと言えるでしょう。

食傷は「こだわり」「感覚的センス」の星でもあり、特に辛金は「色彩感覚」や「デザイン」に対する審美眼を研ぎ澄ませる働きがあります。

(3)日干の強弱を考える

身旺ですか?身弱ですか?
◆身旺/身弱の程度はどのぐらいですか?
◆そう判断する理由は何ですか?

→ 月令を得ず1支にしか通根しておらず、丙火の印星や戊の比劫の助けもない命式ですから、基本セオリー通りに判断して「身弱」です。

(月令を得ない命式では、最低2つの支に通根しなければ身中にならない)

このように1支でも通根できる支があれば、無根の命式とは「芯の強さ」が違ってきます

基本的には「身弱」傾向ではあるが、大事なところでは自分を通し、自分を曲げない強さが出てきますし、ある程度の艱難に遭ってもすぐには根を上げずに頑張りぬくことが可能になります。

なので「身中に近い要素を併せ持つ身弱」といちおうは見ておきます。
   
特殊格局になっていませんか?

日干が午に通根している。雑気の支「丑」が多い、という点から考えて「強旺格」や「従格」にはなりがたい命式です。

日干の五行だけに偏る「強旺格」は月令を得ていることが条件ですし、日干が異常に弱く、特定の五行(金や水)が強すぎる「従児格」「従財格」になるほどの偏りではありません。
 

(4)忌神/用神を大まかに推定してください

◆この命式における忌神・悪神は何ですか?
◆身旺/身弱から考えて、用神・喜神になりうる候補を挙げて下さい
忌神の通変は何ですか?用神の五行・通変は何ですか?


日干が「身弱」で月支の旺気は「水」、命式に多い(強い)のは「金」「木」です。
「身弱」ですから「食傷」「財星」「官星」が悪神になりえるわけで
「金」「水」「木」が悪神である、と考えられます。

「身弱」の場合、一般的に「用神」になりうるのは「比劫」と「印星」です。
よって、土と火が日干の力量を強める「よい五行」ということが言えます。
このうち、いずれかが「用神」であり、いずれかが「喜神」ということです。

日干の強弱が分かるのであれば、ここまでは一般論でも十分に類推できるはずです。

ちなみに、この命式の場合、用神は「丙火」、喜神は「戊土」であり、美容、芸能関係は「火の領域」であり、用神の働きに合致した方向性です。

◆以上のことから、どのような運命的傾向性があると言えますか?

この命式は、食傷・財星・官殺が「悪神」になりえる身弱の命式であり
実際に多いのは「金の食傷」「木の官殺」です。
よって、命式の分類としては「剋漏交集型」(官殺と食傷が混雑するタイプ)であり
「食傷」の悪影響、「官殺」の悪影響が それぞれ個別に発動します。

このような命式の場合、食傷が官殺を抑えるから官殺の影響は出ないとか
食傷と官殺が剋して相殺されるから影響がない、とか言う人もいますが
実際には、食傷の作用、官殺の作用は個別に発動し相殺されることはありません

官殺は、仕事上の重圧、真面目すぎてストレスを抱える性質であり
食傷は、好き嫌い/こだわり/プライドが強く妥協できない性質です。
よって、神経質にあれこれ気になって消耗しやすい人です。

(5)大運との相互作用を読み解く

 ◆大運の推移によって日干の強弱がどう変化しますか?
 ◆大運のどこに用神・喜神が巡りますか?
 ◆大運のどこに忌神・悪神が巡りますか?
 ◆大運において会局・方合・七沖・干合が発生しますか?
 ◆大運干支の通変から、どんな事象が推測できますか?
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まずは「大運」における天干と地支の力量変化を見ていきます。

「庚子」の大運は、前半5年が「庚」で、後半5年が「子」と見てよいわけですが、大運は「月柱」の延長であり、命式の「季節」が変化していきます。月支の力量が強かったのと同じように、大運でも地支が圧倒的に強いわけです。

なので、大運支の「子」は10年間の全体を支配していると見るべきであって、前半5年は「庚」の影響が先に出やすいのですが、同時に「子」の支配力が通奏低音のように響いている、と考えるべきです。

「庚」は命式の天干との干合はありませんが、辛金と混雑して金性を強めます。
「子」が来ると「子-丑の北方合」「子-午の七沖」が発生し、午が沖されて日干が抜根となります。

このように「沖」「合」があれば、地支が消えてなくなる、という説をいう流派もあるようですが、天干の力量を測る地支は、減力することはあっても消えてなくなることはありません。また「合」「沖」は相殺することなく、個別にそれぞれが発生します。

「己亥」の大運は、「己-甲」の干合、「亥-丑の北方合」が発生します。
甲の官殺は悪神なので合去されることは吉になりやすいでしょう。

この「庚子~己亥」の大運までが「北方水運」であり、命式の季節は「冬」、水が旺じて日干をさらに弱める働きをします。

次の大運「戊戌」はかなり変化します。「戊」は陽干の比劫であり、身弱の日干を強め、「午寅戌」の三合火局が完成することで火勢が強くなり、日干の有力な根となります。この期間は、身弱から身中に近くなり、比較的よい「自立運」「独立運」となりえます。

大運「丁酉」は、「丁」は悪神の金性を抑える働きが強く前半5年は吉ですが、「酉」は「丑酉の金局半会」を生じ、辛金の根になって金を強めることになるため凶となります。

大運「丙申」は、用神の丙火が来ることで前半5年はたいへん好調ですが、後半5年は「申」によって金水が強まります。

「丙」が来ると「丙-辛辛」で干合となり、悪神の辛金が弱められます
これは「月柱天干=社会運」が絡んだ干合であり、悪神の月干が合去されるわけですから、良い意味での「社会的変化」「地位や立場の変化」が生じる可能性があります。IKKOさんが芸能人として大ブレイクしたのは、おそらくこのタイミング(2006年ごろ)ではないかと思われます。

「申寅の七沖」は悪神の木星が悪神の金星によって傷むだけで、日干にとってはあまり益のない沖の作用です。ただし木星が剋沖されて傷むことによるメンタル(神経)面への影響には注意する必要があるでしょう。

ここまでが「西方金運」で命式の季節は「秋」です。

大運「乙未」から「南方火運」に入り、命式は「夏」へと変化します。
日干の通根できる「未・午・巳」の地支が来ることで、身中以上の強さに変化していきます。

「乙」はさほど大きな作用はなく毒にも薬にもなりがたい干です。
「未」は「午未の南方合」「丑未の朋沖」を生じます。
「丑」の金の根としての作用が「沖」によって妨害されるため、金性が弱まり、日干に有利となります。

という感じで、大運の推移を見ていけばよいわけです。

<おわり>

これらの事項は「鑑定にあたる際の骨格」「判断の土台」であり、全ては基本理論からの演繹(論理的な推論)で導き出せる内容です。

四柱推命は「直観」や「霊感」を必要としない占いです。
必要なのは論理的に考え抜く力(推論する力)です。

なので、上に列挙した質問事項がさっぱり分かっていない人は、それ以上高度な内容を学んだところで無益です。それは「肉付け」のようなものであって、土台の「骨格」「骨組み」がまともに分析できない人にとってはあまり益がありません。

まず、基礎理論※から正しく演繹(推論)できるように繰り返し練習すべきでしょう。
(※ 日干の強弱、天干地支の力量分析、大運の推移に伴う力量の変化、通変を用いた類型分析 など)

必要なことは、自分の頭でしっかり考え、手を動かして様々な「生年月日」を実際に構造分析してみる実習です。

占い教室の先生が一方的に喋っているだけの講義を何十周と受身で聴いているだけの聴講者がたまにいらっしゃいますが、自分自身の頭で考え実際に手を動かして分析してみるという基本作業の積み重ね(実地訓練)が無ければ、思考停止状態でいくら話を聞いても「右から左に」心地よく抜けていくだけで、いつまで経っても「鑑定力」など身に付きません。

もっとも効果的な学習法は(基礎理論がある程度分かっているのならば)このように「生年月日」情報だけを提示してもらい、実際に「構造分析をさせてみる」ことです。そうすれば、その人自身が「自分は何が分かっていないのか」が明白になるでしょう。


四柱推命ランキング
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by astro_suimei | 2018-03-19 00:09 | 練習問題(命式構造分析) | Comments(0)