壬水の性質

陽の水、流れて留まることがない大河や大海の水です。
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陽干の中でも太陽の丙火と並んで絶大なパワーを持つ干であり、後天運で巡ってくれば命式の風景を一変させるような変化を巻き起こす危険性をも孕んでいる星です。

水の性質は「智」であり、聡明な頭の回転が速い人が多く、特に壬水は負けず嫌いな勝負師・策謀家の一面があります。水は形がなく、方円の器に従うものですから、掴みどころがなく考え方も柔軟で臨機応変です。

どこへ流れていくか読めない予測不能性があり、本人自身も気まぐれで気分屋、その日の気分で左に行ったり右に行ったり、かと思えば、急に堰を切ったように怒涛の勢いで一気呵成に行動しようとする性急さがあります。

壬水は四季月によって、また日干強弱によって、その性状が大きく変わりやすく

秋冬月など、身旺であれば、水智の性質が出やすく善くも悪くも(悪)知恵が回る人物となるが、

春夏月など、水源が無く枯渇する身弱となれば、日干減力が著しく、水智の性質は失われ、流れが停滞してかえって思慮や知恵に乏しく、水量が乏しく底が浅いため、思考は短絡的になり、むしろ愚かにもなりうる。
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身旺の場合は、旺水を調整する甲木の森林丙火の太陽を喜ぶことが多いのですが、場合によっては稀に戊土の堤防が必要になることもあります。

壬水と丙火は「乙丁己辛癸」の陰干をまったく必要としないという特性があります。

春夏月に身弱で水が枯れる場合には、庚金の水源、源流となる通根(亥子)を必要とします。

<壬水の十干相互関係>

壬-壬(比劫):身弱の時には日干を強めるが、天干に壬が来るよりも、地支に亥子があって通根する方が断然に良い。天干の壬は一時的な援助や外的要素にすぎず、亥子への通根は本人自身の継続的努力や独立心を養うものであり、まったく働きが異なる。身旺の場合は凶作用となる。

壬-癸(比劫):陰干のため身弱の日干を補強する作用はまったく無く、たいして害にもならないが、このように陽日干に近貼して陰干比劫があれば、いかにも誠実そうに紳士ぶって表面ばかりを取り繕うようになり「二重人格」的な作用が発生しやすい。

壬-甲(食傷):秋冬生まれの身旺にとっては、旺水を調整して、火源になる一石二鳥の働きをする最たる用神となる。一方で、春夏月で身弱となれば、弱水を吸い上げて枯渇させる悪神の食傷となる。このように四季月と日干の強弱に応じて、用神にもなれば悪神にもなる。

壬-乙(食傷):陰干であって甲のような明確な作用を及ぼしえない。用神にもなりきらず、悪神にもなりきらず中途半端。おおむね秋冬月には吉となりやすく、春夏月には悪神として作用しやすい。

壬-丙(財星):剋されても消失しにくい丙火は、身旺の壬水にとって安定した財星(喜神)となりうる。ただし丙火の財神が良い結果をもたらすには、用神の甲木の存在を前提とする。丙の喜神だけが単体であれば享楽を貪り、刹那的・短絡的な利得に走らせる反作用がある。春夏月の身弱にとっては、火星の財神自体が悪神となる。

壬-丁(財星):丙火と違って「壬丁干合」の関係となり(化木しやすく)、一方的に丁火を消す作用となりやすく、みずから財星を潰す現象、財星に異常に執着する作用を起しやすい。「隠匿の合」であり、日干男命であれば丁火は女性となり厄介な色情因縁を生み出す。

壬-戊(官殺):堤防の戊土があれば治水の利があるのは自然の理であるが、実際には身旺の旺水を「戊土」で抑制することは難しい場合が多く、甲の森林によって旺水をコントロールするほうが美となりやすい。特に庚辛申酉の金星が多い場合には、戊土の堤防は役に立たない悪神となる。言うまでもなく、春夏月の身弱にとっては、弱水を堰き止める悪神の官殺となる。

壬-己(官殺):陰干の己では壬水を剋して堰き止める作用はできず、かえって反剋され、洪水の泥土となって押し流され、河川を汚染する最悪の関係となる。壬水にとって最も忌むべき星であり「混土濁壬」と呼ばれる。泥土によって水が濁らされ、正常な思考ができず、変わった考え方をしやすく、特に日干女命はおよそ結婚にふさわしくない男ばかりを好きになり被害を被る。身旺であれば甲木で己土を合去し、身弱であれば庚金で土を漏らして日干を助ける。

壬-庚(印星):春夏月で、日干が身弱の場合には水源となり枯渇から助ける最喜の用神となる。一方で、身旺の命式にとっては不要の悪神となり、特に秋月には鉱毒を含んだ毒水に汚染し、人格劣化を引き起こす悪神の印星となる。

壬-辛(印星):陽干の庚金のように水源となって弱水を助ける力は無く、温度を表面的に下げるぐらいの作用しかできない中途半端な星。一方で、秋冬月には悪神の印星として作用しやすく、調候用神(喜神)の丙火を干合して去らせる悪神にもなる。

以上のように、十干同士の相互関係は、日干の強弱、命式の属する季節によって、その働きと吉凶が大きく変わってくることを知る必要があります。

たとえば、同じ甲-丙、甲-癸といった十干関係であっても、いつも変わらず吉凶や働きが固定しているわけではなく、命式の月令、日干の旺衰によって、その作用と吉凶が180度も変わってくるのです。ここが四柱推命の判断が難しいとされるゆえんです。

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by astro_suimei | 2017-11-07 11:22 | 十干論 | Comments(0)


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