庚金の性質

陽の金で掘り出されたばかりの鋼鉄です。丁火の炉で正しく精錬されると役に立つ刀剣や工業製品になります。
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十干の中で最も殺気を帯びて剛強であり、何でも白黒ハッキリ付けてバッサリ判断して切り捨てることを本性とします。金の性質が「義」=判断力や決断力であるからです。

また、庚辛の金星は善くも悪くも「義を貫く」=「自分を押し通す」「自我を曲げない」傾向が強く、頑固に自分の考えを曲げずに貫きたがる「柔軟性・可塑性に乏しい人」が多いのも特徴です。

また庚金は「武侠」「義侠」の性質から、自分を強く見せたがり、虚栄心や見栄張りの性質も強く、実力の伴わない「張子の虎」のような人物も多いのが特徴です。

庚金は、十干の中で最も鑑定が難しい干と言ってもよく、用神の選定に難しさを伴います。

基本的には、丁火による鍛錬を喜び、火による鍛錬が無ければ、剛強尊大で怠惰粗暴なわがまま人間=「頑鉄」に終わります。(=扱いにくくどうにもならない無用の人物)

庚金は、丁火の制化を受けて、世に認められ役に立つ名器名刀=人格者となっていくための条件が狭く、適切に鍛錬を受けなければ粗暴な屑鉄でしかなく、命式の状態によって人間性の上下に大きな差があります。
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粗暴、横柄、我儘になりやすく暴走族や任侠(ヤクザ)に身を投じる者も多く、身弱・身中・身旺の違い、火の官殺の有無、埋金の土の有無など、命式の配合(条件)に応じて人間性の高下が激しく分かれていきます

判断力や決断力に富んで立派な高潔な人格者になる名刀名器もあれば、怠惰で我儘を振り回すしか能が無いどうしようもないクズ鉄まで、人格や能力において千差万別、天地の開きを生じます。

理想的な命式は、申や酉に通根して、丁火の炉、甲木の燃料があって、鍛錬された名刀・名器に作りかえられて、社会の役に立つ有用な人材となることです。そうなれば勤め人としても組織内で重宝され栄達出世します。
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しかし、条件によっては「火の官殺」を用神に取れない場合が多々あります。戊己の「埋金の土」が日干に近貼していると、火の剋を妨げて(火を吸収して)土が旺じて金を生じるだけになってしまいます。

このような命式では、次善の策として、壬水を用神として甲木を育てるための水源・鉱脈として利用される命式(=甲壬用神)と見ます。

このタイプは「火の官殺」を喜ばず「水の食傷」を喜ぶため、組織勤めには向かず、自分の技術によって商売をしていく方に適性があります。

<庚金の十干相互関係>

庚-庚(比劫):身弱の時には日干を強めるが、天干に庚が来るよりも、地支に申酉があって通根する方が断然に良い。天干の庚は、一時的な援助や外的要素にすぎず、申酉への通根は本人自身の継続的努力や独立心を養うものであり、まったく働きが異なる。身旺の場合凶作用となる。

庚-辛(比劫):陰干のため身弱の日干を補強する作用はまったく無く、たいして害にもならないが、このように陽日干に近貼して陰干比劫があれば、いかにも誠実そうに紳士淑女ぶって表面ばかりを取り繕うようになり「二重人格」的な傾向が発生しやすい。

庚-壬(食傷):四季月と日干の強弱に応じて、喜神にもなれば悪神にもなる。秋冬生まれにとっては金水を強め、悪神の食傷となりやすい。夏月旺火や土が大過する命式では、庚金を補佐する喜神となる。その場合は才能発揮の食傷となる。庚金にとって、火と水は相反する要素であり、どちらかが用神喜神となれば、一方は悪神となる関係にある。

庚-癸(食傷):陰干であって壬水のような明確な作用は及ぼしえない。用神にもなりきらず、悪神にもなりきらず中途半端。おおむね夏月には吉となりやすく、冬・春月には悪神として作用しやすい。

庚-甲(財星):申酉に通根している身旺にとって、甲の財星は離すことができない必須の用神であり、丁火の官殺の火源となる。自己中心的になりやすい身旺の悪癖を抑えて、他人に配慮させる作用をする。一方で、春・冬・夏月などで身弱になる命式では、悪神の財星になりやすい。

庚-乙(財星):甲木と違って「干合」の関係となり(化金しやすく)、身旺の場合でも喜とはなりがたく、庚金が一方的に乙木を制圧して潰す作用となり、みずから財星を潰す現象、財星に異常に執着する作用を起しやすい。一方で身弱の命式では、干合によってさらに日干を弱体化させる悪神となる。

庚-丙(官殺):身旺であれば丁火の鍛錬を喜ぶが、おなじ火星なので喜神とはなるが、太陽の丙では質的に庚を変化させる作用はなく本質的に用神の作用はしない。身弱の場合には悪神の官殺となる。冬月で寒冷な命式では、申酉の通根があることを前提にして調候用神(喜神)となる場合もある。

庚-丁(官殺):庚は陽干であるが、例外的に陰干の丁火でなければ鍛錬制化できず、身旺の命式においては最たる用神となる。丁火の制化を正しく受ければ、庚特有の粗暴さ・頑固さ・虚栄心が表れずに、世の中に有用な人格者に変化する。一方で、夏・春月などの身弱にとっては悪神の官殺になりやすい。

庚-戊(印星):庚にとって「埋金の土」は天敵の星であり、掘り出された鉄鋼を土をかけて埋もれさせたり、腐食させる悪作用しかせず、不名誉な事件をもたらしたり、怠惰粗暴に人間性を劣化させたり、といった凶作用しか起さないため、四季月・日干強弱を問わず忌むべき五行となる。もし日干が身弱であっても、土の印星は好ましい作用をしない。

庚-己(印星):庚にとって「埋金の土」は天敵の星であり、掘り出された鉄鋼を土をかけて埋もれさせたり、腐食させる悪作用しかせず、不名誉な事件をもたらしたり、怠惰粗暴に人間性を劣化させたり、といった凶作用しか起さないため、四季月・日干強弱を問わず忌むべき五行となる。もし日干が身弱であっても、土の印星は好ましい作用をしない。

以上のように、十干同士の相互関係は、日干の強弱、命式の属する季節によって、その働きと吉凶が大きく変わってくることを知る必要があります。

たとえば、同じ甲-丙、甲-癸といった十干関係であっても、いつも変わらず吉凶や働きが固定しているわけではなく、命式の月令、日干の旺衰によって、その作用と吉凶が180度も変わってくるのです。ここが四柱推命の判断が難しいとされるゆえんです。

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by astro_suimei | 2017-11-07 10:11 | 十干論 | Comments(0)


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