戊土の性質

陽の土でそそり立つ山岳や岩山です。十干の中で最も重い星です。

山のようにどっしりと重量感があり、理想的な戊土の命式には、山に多くの生き物が集まってくるように、多くの人が集まって憩う(慕われる)包容力を発揮します。
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戊の理想的な姿は、亥子の水があり、甲木の森林によって硬い土が耕されて柔和になり生き物が住みやすい山岳になることです。これは「甲木」(官星)を用神とする命式で、組織の中で勤め人として栄達出世しやすい型になります。

夏月などで巳午未が多く、丙丁火の炎熱が過ぎる場合には、燥土が焼け焦げて固い岩の塊となります。水が枯れているため甲木を用いることはできません。
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その場合は、次善の策として、庚金を冷却剤として用いて、焼けた土を冷やし、鉱山として金銀を発掘する山と見立てます。

この「庚→壬」を用神とする命式は組織勤めには向かず、自分の腕(技術・才能)に頼っての独立・自営が向く商売人型に近くなります。

<戊土の十干相互関係>

戊-戊(比劫):身弱の時には日干を強めるが、天干に戊が来るよりも、地支に巳午未があって通根する方が断然に良い。天干の戊は一時的な援助や外的要素にすぎず、巳午未への通根は本人自身の継続的努力や独立心を養うものであり、まったく働きが異なる。身旺の場合や、水星が枯れる命式では凶作用となる。

戊-己(比劫):陰干のため身弱の日干を補強する作用はまったく無く、たいして害にもならないが、このように陽日干に近貼して陰干比劫があれば、いかにも誠実そうに紳士ぶって表面ばかりを取り繕うようになり「二重人格」的な作用が発生しやすい。

戊-庚(食傷):四季月と日干の強弱に応じて、用神にもなれば悪神にもなる。秋冬生まれにとっては金水を強め、山崩れを引き起こす悪神となりやすい。夏月旺火の時には、焼けた土を冷却しながら、水源ともなる「一石二鳥の吉作用」をする用神となる。その場合は才能発揮の食傷となる。

戊-辛(食傷):陰干であって庚金のような明確な作用を及ぼしえない。用神にもなりきらず、悪神にもなりきらず中途半端。おおむね夏月には吉となりやすく、秋冬月には悪神として作用しやすい。

戊-壬(財星):戊土は巳午未多くて身旺になる場合は、必然的に水星が枯れやすくなり、水星が枯れることで災難や苦しみを発生する。よって夏月には用神喜神として作用しやすいが、一方で秋冬月は金水が旺じることで山崩れを起しやすく、身弱にとっては悪神の財星となる。

戊-癸(財星):夏月には喜神として作用しやすいが、壬水と違って「干合」の関係となり(化火しやすく)、戊が一方的に癸水を塞いで潰す作用となりやすく、みずから財星を潰す現象、財星に異常に執着する作用を起しやすい。一方で秋冬月は金水が旺じることで山崩れを起しやすく、身弱にとっては悪神の財星となる。

戊-甲(官殺):森林がある山には生き物が集い、戊土にとって最も理想的な状態となるが、甲木の官殺が有効に働く条件は狭い夏月で身旺であり、かつ、水星が枯れていない潤い豊かな状態でなければ甲木は用いられず、甲木はかえって水星を吸い上げて枯れさせる悪神にもなりえる。春・秋・冬月は 身弱の日干をさらに責める悪神の官殺となる。

戊-乙(官殺):陰干の乙では、まったく戊土を剋す作用はなく、かえって反剋されて乙木(神経)が痛むだけである。

戊-丙(印星):秋冬春月で、日干が身弱の場合には、痩せて冷えた土壌を暖めて滋養する印星の用神となる。一方で、夏月火旺で水枯渇する場合には最たる悪神となる。

戊-丁(印星):陽干の丙火のように、土を暖めて滋養する力は無いが、庚辛金の食傷が旺じすぎて害悪となる場合には、金星を抑制する炉火として用神になりえる。一方で、夏月火旺で水枯渇する場合には最たる悪神となる。

以上のように、十干同士の相互関係は、日干の強弱、命式の属する季節によって、その働きと吉凶が大きく変わってくることを知る必要があります。

たとえば、同じ甲-丙、甲-癸といった十干関係であっても、いつも変わらず吉凶や働きが固定しているわけではなく、命式の月令、日干の旺衰によって、その作用と吉凶が180度も変わってくるのです。ここが四柱推命の判断が難しいとされるゆえんです。

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by astro_suimei | 2017-11-07 09:32 | 十干論 | Comments(0)