丁火の性質

陰性の火で炉や人工の灯火文明生活を支える明かりであり、熱によって鉄を溶かして精錬して有用な器物に作り変える力を持っています。

弱い陰干で元来は消えやすく儚い存在ですが、旺じればかなりの熱量を発揮して、剛強な陽干である庚金(鋼鉄)をも制します。燃料の有無、火勢の強弱(旺衰)によってその力量(温度)に大きな差を生じます。
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丙と同じく情熱的ですが表面的には大人しく穏やかに見えます。内面に激情を秘めているタイプ。

人工の灯火(炉火)であるため、常に燃料となる薪(甲木)を必要とし、ゆらめく灯火の如く、感情や思考にムラがあり、熱しやすく冷めやすく、集中力や根気が持続しにくい傾向性があります。

灯火は文明の象徴、炉火は工業商業の象徴であり、文化的・聡明で温順な人が多いと言われますが、身旺で旺火が過ぎる場合には、激情型の粗暴で騒がしい人物になります。

命式にある他の十干の影響を受けやすく、火力が弱すぎれば無気力になり、まったく覇気が無く、夢も目的もなくその日暮らしの人生を過ごすようになります。

甲と乙は多くの共通点がありましたが、丙と丁は同じ火の五行にも関わらず、その性質には大きな違いがあります。

陽干の丙火は、壬水に剋されることを喜びとしますが、陰干の丁火には絶対に水を掛けることはできません。たちどころに消えてしまうか、火力がある場合は反発現象(水蒸気爆発)を起して炎上します。
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炉である丁火の役割は、庚金の鋼鉄を精錬して世の中の役に立つ器物に作り変えることです。

猛火になっていても、壬癸水で剋すことは禁忌であり、庚金を投入して炉内の火勢を下げ温度を調節する星とします。

燃料となる甲木精錬物かつ温度調整役の庚金、この2つを離れることができないのが丁火の特質です。
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この丁-庚、丁-甲、を完備している命式は、鉄を精錬して工業製品に作り変える生産力を発揮し、特に製造業などで発展しやすくなります。

丙火と同じく「戊己の土」は晦火現象となるため嫌います。

<丁火の十干相互関係>

丁-甲(印星):よほどの身旺で無い限りは、この燃料を常に必要とします。甲があれば安定して燃え続けられるために持続性、計画性、精神的安定性を持ちます。秋冬月には特に必要となる星です。しかし、春夏月に甲木多ければ凶作用となります。印星の悪神として依存心、怠惰、都合のよい偏った思考回路となります。

丁-乙(印星):陰干のため丁火を助ける作用はありません。薪のような安定した燃料ではないため、思いつきの発想や偏った思考力にしかなりません。あっても大して害にはなりませんが、役にも立ちません。

丁-丙(比劫)よほど日干身弱の場合にのみ吉作用となります。秋冬月生まれにとっては喜神(用神ではない)となる場合が多い。しかし、夏月にあれば炎熱が過ぎて万物を枯死させ大きな凶作用を及ぼします。自分の思いを押し通すばかりで自己抑制が効かず、華やかにスポットライトを浴びることだけを求め、周囲環境を破壊し尽くすまで暴走し続ける自滅型となります。また太陽の隣にあれば灯火はくすんでしまい、本来の持ち味を発揮することができなくなります。

丁-丁(比劫):陰干のため日干を強める作用は期待できません。秋月に旺金が発達するのを防止する作用があり、庚辛金が多い命式では用神になる可能性もある。しかし、春夏月には丙火と同じく不要な星であり凶作用をもたらす。

丁-戊(食傷)光を遮って世に出られなくする悪神表現力やコミュニケーション能力に難を生じて、世間に才能を評価してもらえず、組織から弾かれやすい。余計なことを発言して神経を逆撫でしたり、偏った嗜好とこだわりが強く、頑固に意地を張って、自ら不幸になる道へ突き進んでいくような自滅性が出てきます。身弱であれば甲木、身旺であれば庚金によって、土を抑制します。

丁-己(食傷):戊と同じように「晦火現象」を起こします。力量の弱い陰干のため、戊土よりは災難は軽くはなります。まれに旺火で庚金が無い時に、湿土なので火力を下げる作用をする(庚金の臨時代用とする)可能性があります。

丁-庚(財星):丁火は熱量があれば庚金を精錬して変化させます。また火力の調整のためにも庚金は必要不可欠の星です。

丁-辛(財星):陰干の辛金は剋を嫌い、たとえ丁火であっても鎔かされてしまう憂いがあります。冬月に辛を見れば、化水(丙-辛干合)して火力を著しく弱める悪神として作用する場合があります。

丁-壬(官殺):丁火が最も恐れるのが壬水です。干合の関係でもあり、陽干の壬水から一方的に剋されます。精神的に不安定になりやすく激昂しやすくノイローゼに導きやすい星です。旺水ならば甲木(森林)に納水させて抑制するほかありません。

丁-癸(官殺):壬と同じく丁火が嫌う星です。甲によって助けるしかありません。

以上のように、十干同士の相互関係は、日干の強弱、命式の属する季節によって、その働きと吉凶が大きく変わってくることを知る必要があります。

たとえば、同じ丁-甲、丁-庚といった十干関係であっても、いつでも変わらず吉凶や働きが固定しているわけではなく、命式の月令、日干の旺衰によって、その作用と吉凶が180度も変わってくるのです。ここが四柱推命の判断が難しいとされるゆえんです。

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by astro_suimei | 2017-11-05 20:33 | 十干論 | Comments(0)


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