乙木の性質

乙は陰性の木で弱いつる性の草花。十干の中では力量が最も弱い部類になります。他の十干に対する剋や相生の作用が微々たるものです。
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甲のように自立する強さをもたず、強風ですぐに倒れてしまうので、支柱となる甲木が必要です。

綺麗に花を咲かせるには、太陽(丙)と雨水(癸)のバランスが重要であるのは甲木の成育条件と同じです。

甲木との最大の違いは、ほぼ例外なく「庚辛金」による剋を恐れる、という点です。弱いつる草ですから、辛のハサミですら脅威となります。

また、剋す力量が弱すぎるため、戊己土を剋し切らず反剋される憂いがあり、天干に土が来ることも好みません。
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<乙木の十干相互関係>

乙-甲(比劫)自立を促す支柱。日干を有効に強める比劫です。さらに地支に寅卯があって通根することを求めます。春月生まれの身旺の場合には自我が強くなりすぎて凶作用。夏月で水枯れる場合には身弱であっても枯渇した水を奪い合うだけの悪神となる。

乙-乙(比劫):陰干のため日干を補強する作用はまったく無く、むしろツル草同士が絡まり合って迷惑を被る関係。神経過敏になりノイローゼに導く可能性もある。

乙-丙(食傷)成育に欠かせない太陽の光と熱であり、特に秋冬生まれにとっては用神や喜神となる場合が多い。積極性、社交性、人当たりの良さ、明朗さ、夢や希望を与える働きをする。しかし、夏月には旺火を恐れるため天干に多くあれば凶作用を及ぼす。旺火はヒステリー気質、感情の抑制が効かない躁鬱病をもたらしやすい。

乙-丁(食傷):丙の太陽のような有効な作用は期待できないが、秋冬月には暖気を保つ喜神として作用し、庚辛金が多いならば旺金の発達を抑制する炉火としての働きを持っている。しかし、夏月には丙火と同じく凶作用をもたらす。

乙-戊(財星):草花ごとき力量では陽干の岩山岩盤を剋すことはできず、反剋されて根を痛めます高すぎる目標や試練、手が届きにくい高嶺の花実現不可能な壁。夏月で旺火になり水が枯れる場合には強い凶作用、秋月で庚金が旺じる時も金の発達を強めるため官殺と連動して強い凶作用となります。

乙-己(財星):戊と違って柔らかい田畑の湿土なので剋すことが唯一可能な財星。であるが、夏月火旺になると固い燥土の塊となるため反剋を受ける危険性があります。

乙-庚(官殺)斧となって切り刻んでくる凶神。もっとも乙木が恐れる星。甲木と違い、乙木はいついかなる場合であっても庚金を使うことはできません。環境的に虐められたり、神経を病んでノイローゼに導く作用をします。癸水があれば脅威を和らげて命をつなぐことができます。

乙-辛(官殺):剪定ハサミ程度の弱い金であるが、乙木にとっては十分に脅威です。特に秋冬月は凶作用。例外的に、春夏月生まれの身旺の場合に限って、茂りすぎた葉を剪定してくれる吉作用となります。

乙-壬(印星):癸とは違って押し流す性質の大河・大海であり、木を育てるよりも副作用に要注意。夏月でよほど水が枯れている場合は用神にもなりうるが、秋冬月で金旺・水旺になる場合には非常な凶作用を及ぼします。冬月生まれで亥子多く、天干に壬水が巡れば氾濫して大洪水となり流木・浮木とならせて、精神的不安定にさせ鬱病などに導きやすい。

乙-癸(印星):優しい穏やかな雨水・泉水であり、植物の育成には不可欠な働きをする。水の作用が適切であれば情愛深く、思慮に富むが、冬月で旺水氾濫してくれば、壬水と同じように精神不安定となり、悲観的な考え(堂々巡り)に陥り鬱病を引き起こす原因ともなる。秋月に庚辛金が旺じて切り刻まれる際は、金生水、水生木と官殺の剋を和らげる用神となる。
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以上のように、十干同士の相互関係は、日干の強弱、命式の属する季節によって、その働きと吉凶が大きく変わってくることを知る必要があります。

たとえば、同じ乙-丙、乙-壬といった十干関係であっても、いつでも変わらず吉凶や働きが固定しているわけではなく、命式の月令、日干の旺衰によって、その作用と吉凶が180度も変わってくるのです。ここが四柱推命の判断が難しいとされるゆえんです。

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by astro_suimei | 2017-11-05 19:01 | 十干論 | Comments(0)