甲木の性質

四柱推命の古典『滴天髄』には十干それぞれの簡単な説明文があります。
「甲木参天 脱胎要火 春不容金 秋不容土 火熾乗竜 水蕩騎虎 地潤天和 植立千古」
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【現代訳】甲木は天に向かって高く成育する大樹であり、芽を出し成長していくには丙火の太陽が不可欠である。

春生まれなら庚辛金を嫌い、秋生まれなら(庚金をさらに勢い付かせる)戊己土を嫌う。

火が強ければ(=夏月)辰丑(湿土)あれば火勢を抑え、水が旺じる場合(冬月)は寅があれば納水し日干通根にもなり佳良

地支に亥子があって湿潤であり、天干に丙火があって水火のバランスが良ければ千年の大樹となりうる。
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甲は陽性の木で、天を目指して真っすぐ伸びて枝葉を広げて成育することを本領とする。

身旺の場合は、向上心は強いが、人の上に立ちたいという負けず嫌いな面が出てくる。

理想的な大樹になるには、太陽(丙)と雨水(癸)のバランスが重要であり、

特殊な場合を除けば斧となって切り刻んでくる庚金、金を強める戊己土を嫌う

<甲木の十干相互関係>

甲-甲(比劫):身弱の時には日干を強めるが、天干に甲が来るよりも、地支に寅卯があって通根する方が断然に良い。天干の甲は一時的な援助や外的要素にすぎず、寅卯の通根は本人自身の継続的努力や独立心を養うものとなりまったく働きが異なる。身旺の場合は凶作用。夏月で水枯れる場合には身弱であっても枯渇した水を奪い合うだけの悪神となる。

甲-乙(比劫):陰干のため日干を補強する作用はまったく無く、さらには自分に絡み付いてくる厄介なツル草となり迷惑を被る有害な関係。身内や親族の厄介ごとに巻き込まれたり、状況によっては神経過敏になりノイローゼに導く可能性がある。

甲-丙(食傷)成育に欠かせない太陽の光と熱であり、特に秋冬生まれにとっては用神や喜神となる場合が多い。積極性、社交性、人当たりの良さ、明朗さ、夢や希望を与える働きをする。しかし、夏月には旺火を恐れ、火星が多くあれば凶作用。旺火はヒステリー気質、感情の抑制が効かない躁鬱傾向をもたらしやすい。

甲-丁(食傷):丙の太陽のような有効な作用は期待できないが、秋冬月には暖気を保つ調候用神として作用し、庚辛金が多いならば旺金を抑制する炉火としての働きを持っている。しかし、夏月には丙火と同じく凶作用をもたらす。

甲-戊(財星):甲にとっては岩山や固い岩盤であり、水が多く湿潤でなければ剋して根を張れる良い土壌にはならない。高すぎる目標や試練、女性やお金・モノにたいする固執心・執着心になりやすい。戊土は水星を塞いで枯らす作用が大きいため、甲木の成育に不可欠な水星を枯らし、庚金以上に日干を苦しめる悪神(乾殺)として作用する場合が多く注意を要する。夏月旺火で水枯れる場合には凶作用、秋月で庚金が旺じる時もさらに金を強めてしまい凶作用となる。

甲-己(財星):戊と違って柔らかい田畑の土なので剋すことは易しい財であるが、日干とは干合の関係であり、お互いの力量バランスに注意を要する。夏月旺火で水枯れる場合には凶作用(甲己干合は化土して忌神に化す)、秋月で庚金が旺じる時もさらに金を強めてしまい凶作用となる。戊土同様に水星を剋す乾殺の作用には注意が必要である。

甲-庚(官殺)斧となって樹木を切り刻む凶神。もっとも甲木が恐れる星である。夏月の特殊な場合に限ってのみ、枝葉(甲乙)が茂りすぎて見栄を張って自己顕示欲が過ぎる際に、余計な枝葉を切り落として自制心・自重心を促す喜神として作用するケースもある。

甲-辛(官殺):剪定ハサミ程度の弱い金であるが、秋冬月は凶作用をしやすい。夏月は茂りすぎた枝葉を剪定する作用となりやすい。

甲-壬(印星):夏月で水枯れる場合には用神となりうるが、秋冬月で金旺・水旺になる場合には凶作用を及ぼしやすい。冬月生まれで、亥子多く、天干に壬水が巡れば氾濫して流木・浮木となる憂いが生じる。浮木流木は環境の激変、家庭や会社から流れ出させる凶作用を引き起こし、女性の場合は、子宮の病気(婦人病)やノイローゼに導きやすい。

甲-癸(印星):優しい穏やかな雨水・泉水であり、植物の育成には不可欠な働きをする。水の作用が適切であれば情愛深く思考力あって思慮に富むが、旺水氾濫していれば精神不安定となり、悲観的な悪い考えに陥り鬱病を引き起こす原因となる。秋月に庚辛金が旺じて切り刻まれる際は、金生水、水生木と官殺の剋を和らげる用神となる。

以上のように、十干同士の相互関係は、日干の強弱、命式の属する季節によって、その働きと吉凶が大きく変わってくることを知る必要があります。

たとえば、同じ甲-丙、甲-癸といった十干関係であっても、いつでも変わらず吉凶や働きが固定しているわけではなく、命式の月令、日干の旺衰によって、その作用と吉凶が180度も変わってくるのです。ここが四柱推命の判断が難しいとされるゆえんです。

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by astro_suimei | 2017-11-04 20:36 | 十干論 | Comments(0)