特殊格について -格局論-

極端に五行の偏りが激しすぎる場合均衡に戻すことを断念して、偏固した五行の勢いに身を任せる他はないと考える「きわめて例外的な命式」=「特殊格」(外格)が存在しています。

「内格」と呼ばれる一般的な命式(99.5%ぐらい)は、命式の偏りの原因となっている五行が悪神・忌神であり、均衡に戻す働きをする五行十干を「用神」と定めて吉凶と改善方法を考えるわけですが、

特殊格は全く正反対で、偏っている五行が旺じれば旺じるほど吉(=専旺用神)、偏っている五行と剋になる五行(=破神)が来るとかえって大荒れ(破格)になるので恐れるという例外的な判断をします。
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特殊な格局には、大きく分けて2つのグループがあります。

1つ目は、日干が極端に強すぎて、命式内に日干を弱めバランスを取ってくれる要素が皆無であるもので「強旺格」と呼ばれます。

要するにあり得ないぐらいの身旺の極みになっている命式のことです。



①日干が極旺すぎてバランスが取れない特殊格

五行ごとに呼び方があり、木ならば「曲直格」、火ならば「炎上格」、土ならば「稼穡格」、金ならば「従革格」、水ならば「潤下格」という別名(一行得気格)でも呼ばれます。

「特殊格」にはきわめて「厳格な成立条件」があり、それを少しでも満たさなければ「特殊格」として成立しません

すべての「特殊格に共通する条件」は、月支と同気の五行だけが異常に多くて強すぎる(尋常じゃなく数が多い)ということです。ちょっと偏っているねというぐらいの程度では「特殊格」にはなりません。

【強旺格の成立条件】

(1)日干が月令を得ている=月支に通根している

(2)同一五行の旺気の支(子亥/寅卯/午巳/酉申)が3つ以上ズラリと並んでいる
 ⇒ 辰や戌といった雑気の支が多い(or 辰月や戌月生まれの)命式はこの条件を満たしません。

(3)日干以外の天干にも「陽干の比劫」が重々している

(4)日干と剋になる「財星・官殺」が皆無である

(5)1個ぐらいの印星もしくは食傷があっても妨げにならない

強旺格がきちんと成立している場合には、偏った内格の場合とは違って、性格的・人間的な悪さはほとんど出てきません。非常に円満でみんなに慕われるような人柄になりやすいようです。

しかし、自負心や理想が高く、自分の思い、自分の欲望実現にどこまでもストレートに生きていく人です。

特殊格における悪神/用神の定め方は、内格と真逆になります。

・極端に旺じている五行を「旺神」と呼び、
・旺神を強めるか、旺神から漏らされて生じる五行 を「喜神」とし
・「旺神」と剋の関係になる五行、旺神を剋す(逆らう)五行を「破神」と呼び恐れます。

後天運(大運)で「破神」の五行が巡ってきた途端に「破格」してしまって運勢が大荒れ(急降下)になります。

日干を強める五行が「用神」となるわけですから、自分の思うがままに、周囲の目や人のことを気にしないで自己実現だけを追いかけていくほうが幸運になれるというのが強旺格の専旺用神の考え方です。強旺格が完全に成立しているならば、下手に周囲の目を気にしたり、他人に配慮したりを考え始めると、かえって混乱してしまうようです。

あらゆる特殊格に共通することですが「大運の巡り」に特徴があって、

(1)幼少期~青年期ぐらいの大運第1運~第2運が極端に良くて、大富豪のセレブ家庭で育っていたり、非常な幸運に恵まれている。

(2)運勢の波が極端に激しく、誰もが羨むセレブ環境だったのが、ある一夜にして、親の事業破産等が発生し地獄を見るような激烈なアップダウンを経験する。

という点にだいたい共通性があります。

幼少期~青年期あたりの過去を振り返ってみて大変苦労した(または、ごく人並みだった)ということであれば、特殊格は成立しておらず普通内格の範疇だと考えて構わないわけです。



② 日干が極弱で、日干を捨てるしかない特殊格

特殊格のもう1つのグループは、日干が極端に弱く食傷、財星、官殺いずれか「1種類の五行」だけで構成されている命式=「従格」

もしくは、日干が干合によって「別の五行」に変化してしまう命式=「化気格」です。

日干があまりにも弱すぎて、他の五行が異常に強くて偏っているので、もはや日干(主催者)の役割を棄てて、旺じている五行の勢いに身を任せるしかないという格局です。

「従格」は「3つのタイプ」があり、食傷しか存在しない「従児格」、財星しか存在しない「従財格」、官殺しか存在しない「従殺格」です。

また、干合によって日干の五行自体が変化する「化気格」は、変化する五行それぞれに「化木格」「化火格」「化土格」「化金格」「化水格」の5つがあります。

【従格の成立条件】

(1)日干が無根である

(2)日干を助ける「比劫」や「印星」が存在しない

(3)「月支の五行」ばかりが重々して天干地支に旺過している
 ⇒ 月支が戌辰だったり、戌辰が多い場合は特殊格になりません

(4)旺神を漏らして生じる五行が1つぐらいあっても成立を邪魔しない

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上の命式は「従児格」のサンプルですが、日干癸水が通根できる地支はなく無根であり、日干を助ける壬癸の比劫や、庚辛申酉の印星の金も皆無です。

月支「寅」の木行だけが異常に多くて地支は寅卯で埋め尽くされ
天干にも2つ以上の甲木があります。
このぐらいまで偏り切ってなければ「従児格」として成立しません。

日干が産んで生じる食傷=こども(児)の勢いが極端に強いため、日干の働きを放棄して、食傷の旺神に従うのです。

この命式の場合、大運「第3運」(丁巳)までは、旺神を強める木、旺神を漏らす火が続くので「わが世の春」を謳歌する幸運が続きます。

しかし、第4運(戊午)で土が来ると雲行きは少し怪しくなります。

さらに、「庚申」の大運になると、金剋木で旺神に逆らう「破神」が到来することになって完全に「破格」となります。

王侯貴族のような身分だったのが、スラム街の乞食に成り下がるぐらいの運勢の急降下・大波乱が発生します。

このように大運の最初の方だけが「尋常じゃない幸運続き」に恵まれるが、たいてい第3運以降のどこかで「破神」が巡って破格することが多いのが全ての「特殊格に共通する特徴」です。

ただし、例外的に大運の巡りがラッキーな人だと、第6運ぐらいまでずっと幸運が続く場合もあります。(←従財格の場合に多い)

「特殊格」は滅多に成立するものじゃなくて、その成立条件は非常に厳しく、全人口の0.2%いるかどうかの存在割合だと言われていて、私も実際に身近な知人で「特殊格」として完全に成立している人は今まで会ったことがありません。プロ鑑定士さんから聞いた話でも、何千人と鑑定してきて5人未満だったと聞きました。

そうした中でも「化気格」は非常に稀な命式でまずもってお目に掛かることはありません。存在比率は0.02%未満ではないかと思います。

遭遇率としては、1000人無作為に鑑定してようやく1人ぐらい「強旺格」か「従児・従財・従殺格」の人がいたり、10000人鑑定してようやく1人ぐらい「化気格」の人に出会うぐらいの確率です。

【化気格の成立条件】

(1)日干が無根である

(2)日干を助ける「比劫」や「印星」が存在しない

(3)「月支の五行」ばかりが重々して天干地支に旺過している
  その「最強の五行」が「干合して化す五行」と一致している
 ⇒ 月支が戌辰だったり、戌辰が多い場合は特殊格になりません

 ※ 夏月(巳午未)の場合、天干に丙丁が多いのか?天干に戊己が多いのか?によって、
   地支(巳午未)の働きが「火」なのか「土」なのかが変わってきます。

(4)旺神を漏らして生じる五行が1つぐらいあっても成立を邪魔しない
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上の「化水格」の場合は、子月で亥や辰と局・方を結び、天干にも壬水が大過して「水」ばかりが旺過しているので、丙辛の干合は「化水」の条件を満たし、丙⇒壬、辛⇒癸に変化します



【従児格】の特徴は、食傷が旺じるため、非凡な才能や人が真似できない技術を発揮される人が多く、天才芸術家などに多く見られます。

自分のこだわり、表現したいと思う芸術的世界観、特殊なテクニックで築き上げる世界に没頭して生きていくのが彼らの生き方です。

【従財格】の特徴は、非常にお人好しで周りのニーズに応えることに長けている点です。

人に合わせてニーズを満たすように尽くすような生き方をします。多くの人から愛され人気を博して、巨万の富を手にします。

【従殺格】の特徴は、官星が旺じるため、若くして絶大な名誉や名声を手に入れることです。

多くの人から理想的人間と思われて尊い美しい姿として幸運期を生きていきます。彼らは自分を棄てて公共の利益のために身を捧げるような生き方を歩みがちです。

これら特殊格の多くは、良い運期だけを長く(30年以上も続けて)巡ることは珍しい

だいたい大運の第3運~第5運ぐらいで「旺気に逆らう破神の五行」が後天運で巡って来て「破格」となり急激に環境が崩れることが多い。

芸能アイドルや社長令嬢などに多く見られる事例です。SMAPの木村拓也は「従財格」でしたが、最近になって「破格」した途端に「SMAP解散」が発生しているようです。

運勢のアップダウンがジェットコースター並みに急変して天国と地獄を行ったり来りするのが「特殊格」の特徴。いわば本人の意思とは無関係に、制御不能な運命の激流に翻弄されることになります。

従児格の場合は、破格した途端にそれまでの卓越した才能や技術を失ってしまいます。才能や技術を喪失することによって運命の清算をすることになります。

従財格の場合は、破格した途端にそれまでの巨万の富を一夜にして失うことになります。財を奪われ、財によって運命の清算をすることになります。(従財格や従児格の場合には本人自身の生命に危険が直結することはありません)

従殺格の場合は、破格した途端に、本人自身の健康が脅かされます難病や不治の病が発覚して自分の命を失うことでそれまでの運命の清算をすることになります。従殺格は非常に恐ろしい特殊格と言えます。

このように、従格というのは、破格するまでの間は、誰もが羨むような尋常でない幸運(才能/財産/名誉)を享受するのですが、

破格した途端にそれまでの運勢との帳尻を合わさせる(プラスマイナスの清算をする)ために、それまで享受してきたものをごっそりと失うことになるのです。

どんなに偏っていたとしても「内格」であれば本人の自覚と努力次第では自力開運が可能なのだから、その方がベターかなぁと私は思います。

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by astro_suimei | 2017-11-01 00:12 | 四柱推命の基本理論 | Comments(16)

Commented by 今泉恵 at 2018-04-29 05:35 x
昭和39年5月24日生まれ午前11時生まれ化気格になりますか。突然の質問ですみません。
Commented by astro_suimei at 2018-04-30 23:00
> 今泉恵さん
戊癸己甲
午酉巳辰

戊丁丙乙甲癸壬
辰卯寅丑子亥戌

でしょうか? 私は化気格ではなく内格の身弱(庚壬用神)だと判断しました。癸戊の干合よりも、甲己の干合に注目すべきで、甲は戊土に化土している可能性の方が大きいです。

もし化気(火)格が成立しているならば、40才まで(特に36才までの)の大運が最良最喜になるはずです。過去の経緯がその逆で苦労続きだったならばまずもって特殊格ではありません。むしろ41-45才や50才以降が比較的楽だったという経緯ではないでしょうか?

化気格の条件である、日干を生じる印星(酉金)がない、化神の五行(火)が天干地支いずれにも重々していること、を満たしていません。天干に丙丁が皆無であり、かわりに戊己土が天干にあるわけですから、地支の午巳辰は土の星に専化してしまっていると考えます。
Commented by 今泉恵 at 2018-05-01 14:18 x
有難うございます。今まで甲巳の干合なのか癸戊の干合なのかどちらなのか何年も悩んでいましたがすつきりしました。突然こんな質問に答えて頂いて本当に感謝して降ります。私の場合14才迄は普通の家庭に育ち幸せでしたが、父が蒸発してからは、進学もせずすぐ働いたので化気格ではないのですね。33才でお見合いで結婚して男の子3人に恵まれそれなりに50代になつてから少しずつ楽になつてきたような気がします。本当に感謝です。有難うございました。

Commented by astro_suimei at 2018-05-01 21:49
> 今泉恵さん
午前11時出生とありますが、11時は丁巳刻と戊午刻の境界付近になります。出生地が西日本だと場所によっては(明石標準時との時差で)丁巳刻である可能性があります。

戊午刻の場合、天干に火星が皆無なので化火格にはならず、むしろ下のような状態となって土の官殺が大過し「従殺格」を疑う可能性が出てきます。

戊癸己戊
土酉土土

しかし日支に酉金があって日干を生じるので、特殊格の条件を満たしにくい気がしますね。官殺が忌神で旺過しますから剋夫によるDV等に注意を要する命式です。男性関係での苦労はありませんでしたか?

丁癸己甲
巳酉巳辰

丁巳刻であれば、天干に戊は無く、丁火の財星が出ます。巳酉は大運によっては金局するので日干にはこちらの並びの方が有利です。この場合、土の気勢がさほどではないので甲己の干合は「化土」しないで、甲によって悪神の己土が合去される可能性の方が高くなります。

いずれの時刻でも、大運で丑(41才~)が来れば巳酉丑の金局となり庚用神が旺じ、大運支が金水木の運に回れば甲己の干合は「化土」から「合去」に作用が変わり、悪神の土が去ることで憑き物が落ちたように急に楽になる可能性も出てきます。
Commented by 今泉恵 at 2018-05-02 02:17 x
返信頂き有難うございます。こんなに、詳しく見て頂きよろしいのですか。おつしゃる党利です。ちなみに、私の生まれは北海道函館市生まれです。確かに40代1番楽しかったです。DVの被害は受けておりませんが、確かに主人は、気短で、ヒステリー母親の遺伝の性格です。ですが、生まれた男の子がとても優しくとても仲が、いいです。なので、時刻は戊午では、ないのでしょうか。
Commented by 糸子 at 2018-05-03 00:06 x
記事興味深くよませていただきました、と同時に自分は外格と某サイトで出ましたので少しこわく、、
1986.11.6 で雑気財官格?というものらしく従財格のことでしょうか?
Commented at 2018-05-27 13:20
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by Tachibana-karen at 2018-05-27 13:25
すみません
性別は男性です。
Commented by astro_suimei at 2018-05-29 21:59
甲丙丁丁
午寅未丑 ですよね?

まったく従殺になる要素は皆無ですが?官殺の星どこにありますか?
Commented by astro_suimei at 2018-05-29 22:09
>糸子さん
甲戊丙
寅戌寅 でしょうか?

雑気財官格?が何を意味するのか不明ですが、世間で流通してる四柱推命の理論はほぼ90%近く誤りだと言ってよく
極端な理論で、何でも特殊格にしたがる流派も多いです。

広く流通している一般書では内格の八格法(正財格、正官格、印綬格、傷官格など)を盛んに言いますが、

そもそも内格(普通命式)の場合には「格」を云々分類する必要性がありません。

格を分類する必要があるのは「特殊格」のみです。

そして、そもそも雑気の戌月ですから特殊格にはなりがたいです。

火土が強い命式ですから植物の甲木は水が切れると枯れます。精神的に苦しみます。

感情的にヒステリーを起しやすい傾向ですから、思い込みで行動なさらず、よく他人の話をよく聞いて自重なさってください。壬癸水用神です。
Commented at 2018-05-30 19:51
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2018-05-30 19:51
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by astro_suimei at 2018-05-30 20:50
甲辛丁丁
午巳未巳

日干辛金は無根極弱、地支は完全に南方合、旺火で天干に丁火の官殺2つ。これは従殺格になりえると思います。

5 15 25 35
丙 乙 甲 癸 壬
午 巳 辰 卯 寅

従殺格だと30才で辰の運に到達するまでは全て好調だったかと思います。

30才以降、体調や健康で問題は出ていませんか?
Commented by Tachibana-karen at 2018-05-31 17:29
早速の返信ありがとうございます。
体調 健康は大きな変化は無いと思います。
この方は知り合いの方なのですが
自営です。
30歳以降に職を変えてここ数年前から仲間との関係に悩んでいます。
精神的に辛かったのはここ2〜3年だと思います。
カラダに出なくても精神的に病む事もあるのでしょうか??
この方の
喜神は 財 官
忌神は 比劫 印 食傷で宜しくですか?
今年41歳なので財に入っていますので
お金は順調に回るとみてよろしいでしょうか?

たびたび申し訳ないです。
宜しくお願いします。
Commented by astro_suimei at 2018-06-01 07:48
大運の辰に入って、変わらなくてもよい仕事を変わった可能性がありますね。
身体的病気だけが病気でなく精神的病になることもありえます。
もともと日干無根の官殺大過はノイローゼからの自殺に注意が必要です。
従殺格なので財・官殺しか喜となりません。壬癸水の食傷が来れば破格します。
大運 癸卯ですでに破格となっていますから、大運後半で卯の運に入ったからと言って安心はできません。
財は連動して官殺を強める星ですから注意です。財の件で無理をすれば負債で自分の首を絞める可能性があります。
何事も慎重に守りを固めるべきです。
最悪のケースではありますがメンタル的におかしくなって自殺の可能性がありますから、家族や友人の支えが必要な方だと思います。
Commented at 2018-06-01 20:12
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