十二支と通根について-力量論

「十干」と「十二支」の作用がどう違うか?について

命式では、十干を「天干」、十二支を「地支」と表記しているように、

天から降り注いでくる気を「十干」といい、大地がどのように天からの気を受容する状態にあるのかを示しているのが「十二支」です。

「支」は「支える」という字を書くように、十干の力量を支える働きを持っています。
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丙火にとって、午巳未といった地支があれば、船がイカリを下ろして係留されて安定するように、天と地で同じ五行が手を結んで補強し合う働きをします

このように天地上下に貫通して力量を得ることを「通根する」「根を持つ」というふうに四柱推命では表現します。

地支に通根して力量を得た十干は、明確な作用を及ぼします。また多少の「剋」を受けても簡単には減力・消失しません。

丙火が天干にあっても、地支に午巳未の根となる支が無くて、亥子申酉といった金水の支ばかりが並んでいると、丙火を支えるものはどこにもなく、ユラユラと不安定に漂っているだけ存在になってしまいます。こういう状態を「根が無い」「無根である」と表現します。

無根の天干は力量が弱すぎるために、他の十干を剋したり生じたりする作用をほとんど期待できません

というわけで、日干をはじめとする命式内の十干(天干)が、地支に通根しているのかどうか?をよく分析すれば

どの天干が最も力量があって働きが明確でどの天干が力量がなく単に付いているだけの飾りなのか、が分かります。

「月支」は他支の3~4倍の力量があるため、月支に通根する天干が「最強」となるのは言うまでもありません。そして、そのように月支に通根する十干が天干に出ているならば、それが最たる悪神として命式に影響を及ぼしている可能性が大きいといえます。

ちなみに、命式内の「日干の通根の力量」をランキング化すると、

1位 月支に通根する
2位 日支に通根する
3位 時支に通根する
4位 年支に通根する という順番になります。

年支は日干から離れていて遠いからです。

天干と地支の相互関係(通根/透干)を明らかにして、各々の天干の強さや働き方を測る視点を、四柱推命における「力量論」といい、応用範囲がきわめて広い理論となっています。

命式内に通根できる地支がもし無かったとしても後天運(大運/年運)で通根できる地支がやってくることがあります。

その逆に、地支にのみあって天干に出ていない五行があった場合に、後天運で天干にそれらの五行が巡ってくることがあります。

無根であった天干がにわかに通根して力量を得たり地支にのみ隠れて潜在してた五行が「天干」として顕われる(実体化する)ことで、それまで発揮していなかった作用を突然及ぼし始めて、命式に大きな変化を生じるキッカケを作る、と見るわけです。


<地支の「蔵干」って何ですか?>

どの十二支が、どの十干を、どのぐらいの強さで支える働きをするのでしょうか?

それを知るためには、支が内蔵している十干=「蔵干」(ぞうかん)について知らなくてはなりません。

十二支はその内部にいくつかの十干を内蔵しています。

1種類の五行しか含まない支もあれば、最大で3種類の五行を内蔵する支もあります。

ちなみに4×3の「3グループ」に十二支を分類することができます。
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子・卯・午・酉 は「四正支」(中央の支)と呼ばれるグループで、方位で言えば、東西南北のそれぞれ中心、季節で言えば、春本番、真夏、秋本番、真冬を示す支です。

これらの支は、1種類の五行しか含みません。
水なら水、火なら火、というふうに純粋に1種類の五行だけに特化しているのが特徴です。

子は水しか含みませんから、壬癸がいつでも通根して力量を得ることができます。
酉は金しか含みませんから、庚辛がいつでも通根して力量を得ることができる支と言えます。

このように、他の五行の根になることがない専属の根を得ることは、天干の力量を強め安定させる作用が大きいのです。

例外は「午」で、午は火の根になるだけでなく、土の有力な根にもなります。これを「火土同根」と言います。

ちなみに「午巳未」は、天干に「丙丁火」/「戊己土」のいずれが出ているか?によって、その命式内における働き方が変わってきます。

天干に「丙or丁火」だけあって「戊or己土」がない場合は、純粋に火の専属の根として作用します。この場合の午巳未は純粋に「火」の星と見ます。(もちろん大運等で戊己土が来れば土の作用にもなります)

天干に「戊or己土」だけあって「丙or丁火」がない場合は、純粋に土の専属の根として作用しますから、この場合、午巳未は「火」の働きではなく、もっぱら「土」の性質として作用する支となります。(もちろん大運で丙丁が来れば火の作用にもなります)

天干に「火も土も」両方出ている場合には、地支の午巳未は「火」と「土」の2つの顔(作用)を持ちます。
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亥・寅・巳・申 は「四猛支」(起点の支)と呼ばれるグループで、季節で言えば、立春・立夏・立秋・立冬の頃に当たり、いよいよこれから春・夏・秋・冬が本格的に到来するぞ、という始まりの勢いを持っている支です。

これらの蔵干は少し複雑になり、最大で2種類の五行を含みます。メインとなる五行と、脇役サブの五行に分かれます。

「寅」の場合、メインとなるのは季節の五行である「甲木」であり、サブの丙火はさほど力量がありません。

「申」の場合、メインは「庚金」で、サブの壬水はさほど力量はありません。

亥の中にある甲、巳の中にある庚、は実態がなく、特定の条件(三合会局)が完全成立しなければ無視して構いません。

なので、基本的には「亥」は純粋の水の支、「巳」は純粋に火の支、と見ておいて構わないでしょう。

(「巳」は天干に丙丁火がなく、戊己土しかなければ、火の作用ではなく土の作用に専門化します)
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丑・辰・未・戌 は「四墓支」(終りの支)と呼ばれるグループで、四季の終り、次の季節への移行期間です。

古代中国暦では、この月を「土用」と呼び、季節と季節の境目は「土」が旺じる時期と考えていたようです。

これらの蔵干はさらに複雑になり3種類の五行を含んでいます。複雑なので「雑気の支」という別名があります。

どの五行(蔵干)が有力になるかは、命式や後天運で巡る他の支との関係性で刻々と変わってきます。

「戌」を例に挙げれば、命式に亥子や申酉といった金水の支が多ければ、そちらになびいて「辛金」が最有力になり、他の丁・戊は衰弱します。反対に、命式に午巳未といった火が多ければ「丁火と戊土」が有力になり「辛金」は実態がなくなります。

「辰」を例に挙げれば、命式に亥子の水が多ければ、そちらになびいて「癸水」が最有力になり、命式に寅卯が多ければ「乙木」が最有力になり、命式に午巳が多ければ「戊土」が最有力になります。

命式内で多いもの、力量がより強い五行の側になびいて味方するという「風見鶏な性質」を持っており、子卯午酉のようにいつでも変わらず同じ五行の味方をしてくれる支ではありません。

ある時は味方になっていたかと思えば、次の大運では敵方に付いてしまったなんてことが起こってくる裏切り者の支です。

与党が有利そうなら与党になびき、野党に人気が集まって有利そうなら野党に付こうとする選挙前の「公明党」みたいな存在です。

未」と「丑」は方向性がわりとハッキリしています。

「未」は夏の終わりの支で、基本的には「火と土」の味方にしかなりません。

「丑」は冬の終わりの支で、基本的には「水と金」の味方にしかなりません。いちおう蔵干に己土を含んでいますが、よほど命式や大運で午巳未が重々して旺火になっていなければ、天干の土を支える根にはなりがたい支です。

ややこしいのは「戌」と「辰」です。この2つは春秋の終わりの支で、暑いのか寒いのかも元来はっきりしません。

後天運の変化に伴って、どの五行の味方をするのか刻々と立場を翻していくので要注意です。

これら「雑気の支」が多い命式は、後天運による力量の変化に注意を要します。
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以上のことを、天干から「通根できる/できない」という視点から整理しなおすと

甲乙の木が通根できるのは、卯>寅 >>辰>>>未亥という順番になります。辰未亥は、あくまで条件付きの通根可能性であって、寅卯のようにいつでも味方になってくれるわけではありません。(未や亥はまずもって木の根にはなりません)甲乙が通根して強くなるためには「卯・寅」を必要とするということです。
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丙丁の火が通根できるのは、午>巳>未>>>寅・戌 という順番になります。寅戌はあくまで条件付きの通根可能性にすぎません。(三合火局が成立すれば通根できます)よって、丙丁が通根して強くなるには「午巳未」を必要とします。
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戊己の土は「火土同根の理論」からその通根を「火」に寄せて考えます。午>巳>未>>戌>>辰>丑 の順番に有力な根となります。このうち、戌辰丑はあくまで条件付きの通根可能性となります。(通根したとしても丑・辰は土の有力な根にはなりません)よって、戊己が通根して強くなるには「午巳未」を必要とします。
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庚辛の金が通根できるのは、酉>申>>>戌・丑>>>巳 の順番になります。このうち、戌巳は条件次第の通根可能性に留まります。

丑は「金庫」と呼ばれ、辛金を内蔵している冷たい凍土で、強くはないですがそれなりに庚辛の根になります。戌は西方合が成立しなければ有力な金の根にはなりません。巳はほとんど金の根としては実態がありません。

よって、庚辛金が通根して強くなるためには「酉申」を必要とします。
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壬癸の水が通根できるのは、子>亥>>丑>申>>辰 の順番です。このうち辰は条件付(三合水局の場合)の通根可能性です。

申は蔵干に壬水を、丑は蔵干に癸水を含んでいて、それぞれ通根することができますが、亥子に比べれば通根の力量はあまり強くはなりません。

ただし「月支」や「大運地支」が「丑」の場合月令(旺気)を得ていることになり、そこそこ強い水の根になりえます。月支以外の場所にある丑はあまり有力な水の根ではありません。

よって、壬癸が通根して強くなるためには「子亥」を必要とします。

以上のことを総合していけば、命式の天干がどの支に通根できるのか、あるいは、来りくる大運や年運のどれに通根する可能性があるのか、が判断することができるはずです。

<「分野蔵干表」は不要です>

ちまたで流通している四柱推命(元命星・通変星占い)では「分野蔵干表」というモノを用いて、地支の蔵干をただ1つに限定しようとします。
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これは「月支の元命星」を1つに定めるために考案された人工的なシロモノにすぎず、「モノホンの四柱推命」においては用いる必要性がありません。

節入日からの日数の深い浅いに関わらず土用入りかどうかに関わらず

常に「地支」には最大3つの蔵干が同時に共存・内包されていると考えるべきであり、分野蔵干表などといった人工物を使ってわざわざ1個に切り詰める必要はないのです。

「寅」ならば甲・丙、「申」ならば庚・壬、「子」ならば壬・癸、「辰」ならば乙・癸・戊、といった蔵干が同時に存在しており、命式内にあるほかの地支や天干との関係によって、旺じて強くなる蔵干、衰微して弱くなる蔵干、が分かれてくるだけのことなのです。

(分野蔵干表では「寅巳申亥」の四猛支の余気に「戊」の蔵干が加えられていますが、これは前の土用の月からの連続性を考えて挿入されているもので実態は全くありません。無視して構いません)

方合、三合会局といった地支の特殊な結び付きは、地支に含まれている同じ五行の蔵干が引き合って団結する作用、と言ってよいのです。

子申辰の水局ならば、各々の地支に含まれている水の蔵干(壬癸)が親和性ゆえに引き合って団結するのです。

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by astro_suimei | 2017-10-22 20:05 | 地支論 | Comments(0)


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