人気ブログランキング |

古典風水の基本のき ~ 玄空飛星派

前回は、風水における「目に見える要素」の診断法についてざっくりと書きました。

今回は「理気」と呼ばれる「目に見えない方位作用」についてです。

「理気」の理論は「幾つかの流派」に枝分かれしています。八宅派、玄空飛星派、三合派などが代表的な理論です。おそらく今後の主流派となっていくのは「玄空派」だろうと思います。

古典風水の基本のき ~ 玄空飛星派_b0389986_03411585.jpg

香港や台湾の風水師が、アメリカなどの英語圏でも活躍するようになってますが、「玄空飛星派の風水」を「フライングスター」(Flying Star Feng shui)と英訳して紹介しているようです。

玄空派風水では「活動的(陽的)な領域」「静的(陰的)な領域」を分けて考えます。

前者は「水星」(向星)が支配し、後者を「山星」が支配します。

「活動的な場所」とは、玄関、リビング、ダイニング

「静的な場所」とは、休息する寝室、静かに考える書斎、です。

特に「玄関、寝室、リビング」の3大ポイントが然るべき「山星/水星」の領域に収まることが最重要です。

中でも最重要なのは「寝室」が「山星」のサポートを得ていることです。財運を司る水星は二の次です。

「陽の空間」は窓が大きく、オープンスペース(明堂)や「水」(道路や河川)に面して活発であることを求めますが

「陰の空間」ならば閉じられて静かほの暗く背後に「山」(隣接する家屋やビル等)のサポートがあることを求めます。

つまり、玄空派風水では、家の中に2つ以上の個室があって、いずれかを「陽の空間」、いずれかを「陰の空間」として割り振って使うことを前提としています。2LDK以上の間取り(2つ以上の個室)を想定していて、現代のワンルームマンションはそもそも理論の範囲外です。

ワンルームや1Kだと、1つしかない部屋「寝室」であると同時に「リビング」となるので「空間や用途」の「陰陽」を断定できません。

古典風水の基本のき ~ 玄空飛星派_b0389986_11503383.jpg
しかも、大半のワンルーム物件は「窓やベランダ」の方向が開けていて、採光や通風が良いように設計されていますから、玄空派の視点からすれば「水星」(明堂)はあっても「山星」のサポートが取れないような物件ばかりです。

なので、ワンルームの風水判断は「八宅派」の観点から、玄関と居室が配置される対極の「2つの方位」に「旺気・進気」が取れる「宅卦」を選ぶしかない、と考えます。

(ワンルーム等の縦に細長い間取りだと、部屋の太極点から八方位の分割線を引けば、玄関のある方位ベランダのある方位の合計「2つの方位区分」しか取れません)

古典風水の基本のき ~ 玄空飛星派_b0389986_11595020.jpg
「八宅派」については ↑の本などを見れば詳しく書いてあります。そんなに難しい理論ではありません。

個人の「本命卦」と住む物件の「宅卦」の相性を合わせる、というのが基本セオリーです。

古典風水の基本のき ~ 玄空飛星派_b0389986_12185851.png
例えば、上は「本命卦」が「震」の人、もしくは「西向東座」の「震宅」を示しています。八方位のうち「生気」「天医」「伏位」が(旺気や進気が取れる)吉方位となります。

なので、この人にとっては、南と北に縦長い物件で、宅卦が「東四宅」に属する物件を選んだほうが有利(吉方位が取れる)になります。

室内配置としては、「生気方」に玄関が来て、「天医方」や「伏位方」に寝室(ベッドの位置)が取れるのがベストです。

日本の家相では、トイレや風呂など水場に凶意を固定しますが、中国風水ではこれらは「衰気」の方位に配置すればよいと合理的に考えます。

「衰気」や「殺気」という良くない気が発生しやすい方位では、そうした気が滞留しないように流れる水によって流し去ることがベターであると考えるのです。

「旺気や生気」という良い気が発生する方位を、長く滞在する寝室やリビング、気を取り入れる呼吸口となる玄関、として利用し、

凶作用をもつ「衰気」が発生する方位は、トイレ、風呂、収納場所、として消極的に用いればよい、という思考法です。日本式の家相とは判断が全く違うことがお分かりでしょう。

古典風水の基本のき ~ 玄空飛星派_b0389986_12254743.jpg

このように、八宅派風水では、本命卦の属するグループ(東四命/西四命)と 「宅卦」の属するグループ(東四宅/西四宅)を合わせるようにする、という観法が中心となっています。

シンプルで簡便な理論ですが、八宅派の難点は「吉凶の時間的変化」を説明できない点です。

玄空派風水の視点からは、それなりの収入があるならば、たとえ1人暮らしであっても「2DK以上の間取り」の物件に住むことをお勧めします^^
古典風水の基本のき ~ 玄空飛星派_b0389986_11504077.png
東京都内ではさすがに2DK物件を家賃6万円で住むことは不可能でしょうが、首都圏でも埼玉県(東武線・西武線)千葉県(常磐線・総武線・京葉線)の沿線を調べると、けっこう安い2DKの物件が郊外に幾つも転がっているものです。

そうした郊外の物件の方が、都心のビルがゴチャゴチャと建て込んだ中にある狭い物件よりも、オープンスペース(明堂)が確保されていることが多く、良い風水の条件を満たしやすい傾向があります。



<玄空飛星派の風水理論>

玄空派では、住居ごとに属する「飛星盤」を定めます。

玄空派の最大の特徴は、時間の推移によって飛星の配置が変わったり、吉星と凶星が入れ替わる、という時間論にあります。

古典風水の基本のき ~ 玄空飛星派_b0389986_12433242.jpg

(1)何年何月に建てられたのか(=三元九運のどの期間に完成したのか)

(2)物件の「座方位」「向方位」がどこか?

 に応じて、建物内の八方位に「飛星」が割り当てられます。

(水星・山星の飛星の仕方については面倒なので省略します。関心がある方は参考文献を読んでみてください)

全部で「二十四山」=24種類の飛星盤がありますが、隣接する座山によっては重複する盤になったりもします。

古典風水の基本のき ~ 玄空飛星派_b0389986_12491509.jpg

飛星盤をみると、1つの方位に「3つの数字」が並んでいます。
下の数字が「運星」、左上の数字が「山星」右上の数字が「水星」です。

「山星」は健康運、「水星」は財運、を司ります。

↑は 第七運の間に建築された「卯山酉向」= 西に玄関がある家 の飛星盤です。

玄関がある向方の西には「3の山星」と「7の水星」があり、座方の東には「7の山星」と「2の水星」が配置されています。

この建物が完成した「第七運」においては「7」が最大吉星だったので、玄関のある向方位に「7の水星」があり、座山方位に「7の山星」があるので、この飛星盤は「旺向旺山」の吉格とされます。

向方位に玄関があり、座方位に寝室があれば、健康にも財運にも恵まれやすい物件でした。

古典風水の基本のき ~ 玄空飛星派_b0389986_13563823.jpg

しかし、今は「第八運」ですから「第七運」とは飛星の吉凶が変化していて「七赤金星」は衰微して凶星に転落していますから、現時点での座方・向方の使用には「風水調整」が必要となっている家です。

古典風水の基本のき ~ 玄空飛星派_b0389986_13415536.jpg

このように、実際の鑑定で使用するのは「山星」と「水星」です。

吉作用の山星がある方位を「寝室」として用い、山の要素でサポートすることが好ましく

吉作用の水星がある方位「玄関」や「リビング」として活動的領域として用いて、水の要素でサポートすることが好ましいのです。

寝室の背後が大きなビルや建物で閉じられていれば「有力な山星」のサポートが得られます。背の高い大きな家具を置いたり、窓やカーテンはなるべく閉じたままにして、静的で陰性の支配する部屋として用います。

よい水星があっても、その方位に窓も玄関もなければ、水がなく干上がっている水星で作用はありません。

大きな窓やベランダや中庭(明堂)があり、さらに噴水や池があったり、道路や駐車場や公園に面していれば「有力な水星」のサポートが得られます。なるべく活動的な部屋として利用します。

古典風水の基本のき ~ 玄空飛星派_b0389986_12453177.png

これら1~9の飛星は、三元九運に応じて、旺じる星、衰微する星が決まっています。

現在は「第八運」ですが、この期間は「八白土星」が「旺気」で最も強く、次いで「九紫火星」が「生気」で有力で、次いで「一白水星」が微弱ではあるが進気で吉作用を得ます。つまり「8>9>1」が「第八運」の吉星です。

それ以外の星は、四柱推命的に言えば力量に乏しく(月令を失しているようなもので)衰退していて積極的には使えません。

古典風水の基本のき ~ 玄空飛星派_b0389986_12433242.jpg

特に、五黄土星(=災難)、二黒土星(=病気)の2つは凶作用が強く注意します。3と7はそれに準じて訴訟やトラブルを引き起こしやすい凶星です。

2と5の組み合わせは最悪で、病気や災難を発生させる殺気なので「化殺」という風水調整を行います。悪い土の気を漏らして弱めるために「金属製のアイテム」(古銭や銅版)を用います。

六白金星、四緑木星は、もともと吉作用の強い星で、衰微しても積極的に凶作用を及ぼすことは少なく(衰微しているので積極的な作用は期待できませんが)ペアとなって組む星(水星と山星の組み合わせ)によっては吉作用をしてくれる場合もあります。

例えば「4」は「桃花」(恋愛)を司る飛星なので、衰微している「4」を活性化するためには、水の風水調整を行います。その方位に水槽や噴水を配置して、五行相生によって四緑木星を刺激して活性化するのです。

こうした飛星の組み合わせ(=飛星同士の五行関係による象意)、山星・水星の吉凶作用を考えながら、どの方位をどのように活用すべきか、を考察していくのが玄空飛星派の風水理論です。

理論的にはとても合理的・体系的で、吉凶の時間的変化も説明できる優れものなので、おそらく今後の風水学(理気論)はこの派の理論が中心になっていくだろうと思います。

さて、風水学について書いてみましたが、私は「方位占」はそれによって積極的に吉作用を狙うよりも、凶作用を避けるために消極的に用いるべきものだと考えています。

古典風水の基本のき ~ 玄空飛星派_b0389986_13532226.jpeg

「完全な間取り」の物件など存在しませんし、最大吉の「旺山旺向」の宅盤であっても、次の三元九運に入れば飛星の吉凶が入れ替わるので必ずしも「吉格」とは言えなくなります。

ですから、まずは「目に見える形殺」を避けることを優先すべきでしょう。道路や建物との位置関係はよく調べるべきです。

「理気論」については、玄空派や八宅派をベースとして、なるべく凶作用の少なそうな宅盤の物件を選ぶ、というレベルの「げん担ぎ」で構わないと思います。

三合派などでは、来水と去水を調整して「龍門法」(水法)で金運アップや商売繁盛を狙ったりするようですが、「方位占」で一攫千金や運勢逆転を狙ってもあまり意味がないどころか「危険」である、と私は思います。

むしろ、もともとお金に縁が無い人や悪い運期に入っている人が、偶然に宝くじに当たったりして大金を手にしたならばどうなるか?その後かならず「代償の法則」が働きます。本来手にしてよいお金の上限をはるかに超過してしまっているわけですから、何かで埋め合わせ(補償)して運命の平衡を回復するようにと強制力が働いてきます。

個人の開運については、推命学の悪神論・用神論から、どのような選択・言動を改めて、どのような努力をなすべきか、を堅実に考えていくのがベストです。

# by astro_suimei | 2018-11-21 07:35